日本では死語になっているインフレーショントレードInflation Trade。何か?というと将来のインフレを予想して、ポジションを取る取引を指す。
アメリカではジョージア州の上院選挙で民主党が勝利して以来、長期債の金利が急上昇している。選挙前は0.955%だった10年債の利回りは昨日は1.07%に上昇した。理由は民主党が上院で過半を占めたため、大きな財政出動が期待されるが、政府には金がないので、大量の国債を発行せざるを得ない。大量の国債を消化するには投資家を満足させるため金利を引き上げざるをえない。だから長期金利が上昇するという読みだ。
既にヘッジファンドは「短期債買いの長期債売り」戦略で動いている。この戦略は長期金利の上昇で長短金利が拡大するという予想に立っている。債券の買い持ち・売り持ちを両建てするので、金利水準が上がっても下がってもニュートラルに作用し、金利差が拡大すると儲けがでる(金利が上昇すると長期債の価格が下がるので、安く買い戻すことができる)訳だ。
アメリカはマーケットも政治もビジネスもコロナの中で生きていると私は思う。「生きている」という意味は敏感に反応し、困難の中からチャンスを見出す活力がある、ということだ。
昨日起きた国会議事堂への暴徒の乱入は決して褒められたことではないが、政治が熱いという点は注目してよいと思う。
企業もコロナに対応するべく、ビジネスチャンスを探して、果敢に打って出ている。巣籠宅配ブームで売り上げを伸ばしているのはアマゾンだけではない。コストコやウォールマートもインターネット注文⇒店舗で受け取りなどで売り上げを増やしている。オンライン診療も急増している。
つまりコロナをイノベーションの機会ととらえているのだ。
在宅勤務についても日本では平均的にはマイナスのイメージが強いが、アメリカでは肯定的な見方が多い。肯定を前提に考えると、どうすればリモートワークのマイナスを回避できるか?という技術論がでてくる。その技術論が、ネットワーク技術を発展させ、ヒューマンスキルなど社会心理学分野の研究と実践を拡大する。
悲しいかな、これに較べると日本ではコロナをイノベーションの機会ととらえる機運が乏しい。マーケットも然りである。ならばやはり活気のある米国市場にコミットせざるを得ないのである。
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