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山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ネパール、援助の乏しい親戚を頼るか?下心ある他人を頼るか?

2016年09月08日 | ライフプランニングファイル

来月ネパールに行くので、ネパールのことを考えている。材料(情報)なくして考えても始まらないから、これから少し勉強しようと思っているが、まず大枠として、インドと中国のはざまのこの国の外交・経済面の立ち位置などを見ていきたいと考えている。

言語・宗教面でネパールはインドに非常に近い。大インド語圏という概念があるかどうかは知らないが、自分の経験ではネパールで使われる言葉と2千キロメールほど離れたパキスタンで使われる言葉の内、少なくとも相当共通していると考えられる言葉がある。それは買い物をする時「高いから負けてくれ」という言葉だ。パキスタンのウルドゥ語では「マンガーハイ、サスタカロー」といい、ネパール語では「マハンゴ、サストガルノス」という。昔パキスタンに一緒に遠征に行った先輩がネパールの店先でウルドゥ語で「サスタカロー」と叫んでいたが、ちゃんとまけてくれた。

このようにネパールは大インド圏の中にあるのだが、経済面では中国とのつながりが深まっている。数年前チベット国境に近いランタン谷へ行った時、チベットにつながる道路を建築中であったが、どれ位進んでいるか?も確認してみたいものだ。

中国とインドはどちらがネパールにより大きな影響力を持つか競い合い、ネパールは両国からできるだけ援助を引き出そうとあの手この手を考えているようだ。

ネパールでは中国とインドの熱い戦いはないが、戦略上重要なアルナチャール・ブラデーシュ州ではにらみ合いが続いていると聞く。

中国・インドは軍事的緊張や覇権争いを続けながらも、経済面でのつながりは高まっている。ただし貿易面では中国の大幅な輸出超だ。今年3月までの1年間で中国の対インド輸出額は617億ドルだったが、インドからの輸入はたったの90億ドルで中国の大幅な輸出超過になっている。

インド市場には中国製の商品があふれ、おそらくネパールにも以前より一層多くの中国製品が持ち込まれているだろう。

このあたりも実際に見てみたいものだ。インドでは少し前に「ヒンディー/チャイニー バハイ バハイ」(インド人は中国人と兄弟)というスローガンが流行ったそうだ。またインド人の間の中国語学習熱も高いという。

一方中国人が心底インド人を友人と考えているか?というとクエスチョンマークがつく出来事もある。

最近中国航空の機内誌に「ロンドンは一般的には安全な街だけれど、インド人・パキスタン人・黒人が多い地区に立ち入る時は用心が必要」という記事が書かれたそうで、欧米の一部のメディアは人種差別発言だと非難している。

中国とインドはネパールのみならず、アジア諸国で主導的立場を取ろうとして、経済支援競争を展開している。

ただし目下のところ経済力では中国の方がインドを上回るので、中国の方が旗色が良さそうだ。またインドは民主主義国家であるから、ネパールが少数民族を差別するような政策を取ると厳しい注文を付けているようだ。

ネパールの場合、文化・宗教面ではインドと近いがインドの支配力が強まることには強い警戒心がある。そこに中国が入ってくる余地がある訳で、ネパール・インド・中国の関係は興味深い。そして共通する関係は他のアジア諸国でもみることができるだろう。

 

 

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