調査機関や調査時点によりばらつきはあるが、コロナ感染拡大防止策として、東京で約4割、全国ベースで2割~3割の企業がテレワークを導入しているようだ。
テレワークは世界各国で拡大しているし、生産性を向上させる機会としてコロナ後もテレワークの継続を打ち出している企業も増えている。
だが日本では多くの企業がテレワークに消極的だ。理由はテレワークで生産性が低下しているかあるいは低下する懸念があるからだ。
日本でテレワークの生産性が上がらない理由については、IT関係者などが色々理由を分析しているが、一番の理由は「会社が従業員の勤務姿勢に性悪説で臨んでいる」ことにある。
つまり「従業員は上司が見ていないとサボる」という思いが会社側つまり経営層や人事部門に多いということだ。もちろん例外もあるが。
上司が見ているといっても業務の内容まで目が届いている訳ではない。目が届くのは勤務態度だ。つまり頻繁に離籍しないとか自分が呼んだらすぐ飛んでくるかとかだ。
だがこれらの勤務態度は生産性と必ずしもリンクしていない。特にクリエイティブな仕事の場合は無関係と言って良いだろう。
生産性は生産量で測るものであり、勤務態度=生産プロセスで測るものではない。休まず遅刻せず会社に来ているだけで生産性があがるのであればこんな楽な話はない。いや非常に単純な作業の場合はそのような勤務態度と生産性の間には相関関係はあった。だが仕事が単純作業の繰り返しから創造的なものに変化すると会社に来て、一見真面目に仕事をしているように見えることとアウトプットの間には相関関係はなくなった。
ではこのような環境下では会社や上司はどうあるべきなのか?
第一に性善説に立って従業員を信頼することだ。人は任せてみると案外頑張るものだということを真に理解し、細かい指示は出さずに任せることだ。
そして勤務態度ではなく成果物で人を評価するように評価システムを変えることだ。
だが評価システムを変えるということは人事制度全般を変えることになるので、ZOOMを導入したりチャットシステムを導入するような簡単なものではない。場合によっては会社というムラ社会を一部壊すようなことが起きるだろう。
だがそのような破壊的革新に会社は二の足を踏む。だから日本ではテレワークの生産性は上がらないのである。相当長期にわたって。
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