Stay the courseとは「完走する」「最後まであきらめない」という意味だ。WSJにAbe Urges Japan to stay the courseという記事が出ていた。「安倍首相は日本は最後まであきらめないと強調する」という意味だ。「何を諦めないで頑張るのか?」というと、アベノミクスでデフレから脱却するとともに、東京に集中した富を地方に拡大することである。
安倍首相が衆院解散を決めたのは、GPD成長率が2四半期連続でマイナスだったというニュースが流れたすぐ後のこと。常識的にはリセッション入りが明確になった後の総選挙は現内閣にとって不利と考えられるし、この時期の総選挙については国民の2/3が納得していないようだ。しかし安倍首相は伝家の宝刀を抜いて、政権の長期安定化を目指している。
アベノミクスに対する批判の一つは「金融緩和策で円安が進んだが、その恩恵は大企業にとどまり、消費者や地方は円安で高騰するエネルギー価格に苦しんでいる」というものだ。だが先週OPECが原油生産量を据え置くと決定したことから、原油価格は急落し、しばらく原油価格は低レベルで推移するだろうという観測が広がっている。このことはアベノミクスにとっては相当な追い風になるはずだ。
原油価格の低迷をwindfall(棚から牡丹餅)として、景気回復に取り組めばstay the courseも不可能ではないと私は考えている。ただしそれは短期的な話だ。長期的に日本の経済成長を伸ばしていくには、人口減少に歯止めをかける必要がある。それには「出生率」の改善が必要だが、それはかなり時間のかかる方法だ。
目先の介護等にかかわる労働力不足を解決するには、思い切った移民拡大策をとるべきだ、と私は考えている。移民拡大と地方創生の組み合わせが、経済成長のポイントになると私は思っているが、この点政治家から踏み込んだ意見が聞こえてこないのは残念である。
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