この連休中に北アルプスを中心に山岳遭難事故が多発した。事故の原因の一つにホワイトアウトWhiteoutが挙げられていた。
Whiteoutとは「雪や濃霧のため視界が白一色になり、方向・高度・地形の識別ができなくなる状態」を指す。私もこのGW中に月山に行った時、リフトを降りて滑ろうと思った時、このホワイトアウトにつかまった。ホワイトアウトにつかまると平衡感覚がなくなり、斜面に立つことが困難になる。一瞬白い無間地獄を落ちているような嫌な感じを味わった。
では何故このような状態をWhiteoutというのだろうか?ということを推測してみた。Outは非常に沢山の意味を持つ言葉だが、その中に副詞として「気を失って」という意味があるので、私は「白一色に気を失った状態をwhiteoutとしたのが始まりではないか?と推定している。
白の反対の黒を使ってBlackoutという言葉がある。Blackoutには「停電・灯火管制」という意味と「気を失う」という意味がある。後者の意味では戦闘機のパイロットが加速の影響で脳に血流が行かなくなり気を失う場合をブラックアウトと呼ぶそうだ。またブラックアウトの手前の状態をgrayoutと呼ぶそうだ。
酒を飲み過ぎて記憶喪失に陥った場合もblackoutという。酒を飲んで急速に血中のアルコール濃度が高まると、記憶を掌る海馬のレセプター(受容体)にグルタミン酸が回らなくなり、記憶伝達が阻害される。
Blackoutは飲み過ぎによる完全な記憶喪失状態を指し、その手前の一部記憶が残っているような飲み過ぎをwhiteoutということもあるそうだ。
この前月山でwhiteoutにまきこまれた後、しばらく軽いめまいが残り、宿に帰ってからあまりビールが進まなかった。脳は濃霧によるWhiteoutを酒の飲み過ぎによるwhiteoutと勘違いして、ビールにストップをかけたのかもしれない。雪山でのwhiteoutにもお酒の上でのwhiteoutましてやblackoutにはご用心!である。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます