米国株は「貿易紛争長期化で景気が減速する時は政策金利の引き下げを視野に入れる」という連銀の姿勢を好感して続伸している。昨日(6月6日)のダウは207ドル上昇した。一昨日の512ドル上昇をフォローする上昇だった。
株が買われた理由は連銀の柔軟な姿勢を好感したことと、5月以降の株安でバリュエーションが下がり、値ごろ感がでていたことだ。
S&P500のバリュエーションは、5月初めの約17倍から反発前は15.7倍まで下落していた。
一方景気については「減速感は出始めているが、リセッションの兆候はほとんどない」というのが大方のエコノミストの見方だ。
もっともここを買い場とみる投資家がいる一方、株から債券へのシフトを推奨する証券会社もある。個人投資家センチメント調査によると40%の個人投資家は向こう半年の間で株価は下落すると予想し、25%は株価が上昇すると予想する予想している。
弱気派がこれほど優勢になったのは今年1月初め以来のこと。
足元の経済情報もミックスしている。
直近の米地区連銀報告では今年の春の経済は追加関税の影響を払いのけ緩やかな拡大を続けている。
経済を牽引しているのはサービスセクターだ。
一方昨日発表されたADPによる5月の雇用増は27千人に留まった(エコノミストの事前予想は173千人)。
これはサービスセクターで71千人雇用が増えたが、製造業で43千人、建設業で36千人雇用が減った結果だ。
民間給与計算会社ADPのデータと今週金曜日に発表される労働統計局の雇用統計が毎月同じ傾向を示すとは限らないが、5月の非農業部門雇用者数はエコノミスト事前予想180千人を下回る可能性がある。
もっとも下回ったとしても、マーケットや連銀がそれが景気減速の兆候と判断するかどうかは別問題。
というのは労働力の供給不足が雇用増を抑えている可能性もあるからだ。
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