金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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司会者はいつからMCになったのかしら?

2021年10月26日 | うんちく・小ネタ
 最近テレビなどで目にするのがMCという言葉です。Master of ceremoniesの略で日本語でいえば司会者でしょう。ただし従来の司会者が台本通りに番組を進める人なのに対して、MCは出演者の個性を尊重して、能力を引き出しながら、番組全体を指揮する人という意味だそうです。
 つまりヒューマンスキルでいうところのファシリテーターですね。
 ファシリテーターに似たものとして、モデレーターという役割もあります。日本語でいうとモデレーターも司会者、議事進行者ということになりますが、モデレーターは議事進行をしながら自分も意見を言うところに司会に徹するファシリテーターと違いがあるという説明を目にすることがあります。
 言葉の微妙な違いはさておき、「他人を尊重してその意見を聴く」ということは良いことです。社会が傾聴する慣習を持っているかどうかはその社会の成熟度の尺度でしょうからね。 
 高齢者が増えただけでは社会は成熟しません。孔子は「60歳になって耳が順(したが)うようになった」と述べています。ですから60歳のことを耳順というのです。深い解釈は別にして私は年を取って、他人の意見を素直に聞くことができるようになったと理解しています。
 でも年を取るにつれて人のいうことを聴かない人もいるでしょう。それでは耳順にはなりません。耳順の高齢者が増えてこそ成熟した社会といえるのでしょう。
 道元禅師の正法眼蔵に「仏の道を学ぶということは自己を習うということで、自己を習うということは自分を忘れることだ。自分を忘れる時に色々なことが教えられる」という一節があります。司会とは何か?という文脈で考えると自分の意見を一旦横に置き、人の意見を真剣に聴くときに教えられることが多いということになるのでしょうか?
 もっともこのような勝手な解釈は道元禅師の教えからズレているかもしれませんが。
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