昨日(7月2日)発表された米国の雇用統計。非農業部門雇用者増は事前予想(ダウジョーンズ)706千人を上回る850千人だった。また失業率は事前予想5.6%に対して5.9%だった。労働参加率は61.6%と変化はなかったので、失業率の増加は求職者が増えたことによると判断される。また別の統計では、パートタイマーを含めた不完全失業率が9.8%に低下した。2020年4月以降で不完全失業率が10%を切るのは初めてのこと。
6月の時間給の増加は前月比0.33%、対前年度比は3.6%の増加で事前予想どおりだった。
この雇用統計を投資家は「米国の経済は順調に回復しているが、連銀がすぐに金融引き締めに動くほどヒートアップしている訳ではない」と解釈した。つまりゴルディロックス状態だと判断した。このために株価は続伸。S&P500は7日連続で上昇し、4,352.34ポイントに達した。
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ところで6月の雇用増を牽引したのは、レジャー・接客業部門で雇用増は343千人だった。2番目は政府部門の188千人。内訳をみると今秋からの対面授業再開に備えた教職員増が多い。
これなウイルス禍で雇用者を大幅に減らしたレジャー・接客部門が雇用を増やしたということは、ワクチン接種の普及でレジャー客が増えることが見込まれるからだ。
レジャー客が増えるという予想を個別銘柄の推奨に結びつけている証券会社がある。それはBernsteinだ。同社のアナリストはアルファベット(Google親会社)を今年後半の一番の推奨銘柄に挙げているが、その理由は「同社の株が収益に較べると割安レベル」で「旅行客が戻ってくるとGoogleサーチエンジンの利用者が増え、増収増益が見込める」「株価はこれから3割上昇の余地あり」と報じている。
もっとも年央のこの時期証券会社はそれぞれ推奨銘柄をあげているので、目移りする。たとえばゴールドマンはマイクロソフトを推奨し、モルガンスタンレーはテスラを推奨している。推奨銘柄を全部買うお金も暇もないという人はインデックスかETFへの投資が良いかもしれない。しかし時には大怪我をしない程度に自分が共感するシナリオに乗ってみるのも悪くないと思う。現在の米国株にはそんなシナリオ投資を楽しむ素地があると思う。
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