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山好き金融マン(OB)のブログ
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プーチンを倒さなければ戦争犯罪で裁くことはできないが・・・

2022年04月05日 | ニュース
 海外メディアを見ると、ロシア軍がウクライナ近郊のブチャで多数の市民を虐殺したことに対し、戦争犯罪だ非難する声が西側諸国で高まっている。
 アメリカのバイデン大統領は少し前ポーランドで演説した時「プーチンを権力者の地位に留めおくことはできない」と非難した。この時はそれは言い過ぎだとしてホワイトハウスが火消しに回っていた。
 だが今回はそれ見たことか、と言わんばかりにバイデン大統領は「プーチンは戦争犯罪者だ。証拠を集めて彼の責任を追及する必要がある」と述べている。
 マスメディアは現在のところウクライナ側のロシアが戦争犯罪を犯しているという主張に対し、Allegeという表現を使っている。これは「十分な証拠なしに申し立てをする。主張する」という時に使われる言葉(アメリカでは民事訴訟でも多く使われる)で、合わせてロシア側の虐殺は行っていないという反論も紹介している。
 少なくとも国際刑事裁判所などより中立的な立場の第三者が戦争犯罪を立証するまで一流のマスコミはロシアが戦争犯罪を犯したと断言はしないようだ。
 さて問題は仮にロシアがウクライナで虐殺・強姦・拷問などの戦争犯罪を犯していたとして、またプーチンに指揮命令上の責任があることが立証されたとして彼を裁くことができるか?ということになるとこれは難しい。
 なぜならプーチンを何らかの形で法廷に呼び出す必要があり、それを行うためには逮捕または拘束する必要があるからだ。だがクレムリンに彼が座っている限り何らかの形で法廷に呼び出すことは不可能だからだ。
 もっともその前にロシアは数年前に国際刑事裁判所から離脱しているので、国際刑事裁判所に召喚できるかどうかという問題があるが。
 いずれにせよプーチンや戦争犯罪の現場での遂行者を裁くためには、ロシアを徹底的に叩きのめし、降伏させ、ウクライナや西側諸国が戦勝国として特別法廷を設け、そこで戦争犯罪を裁くという枠組みができないとプーチンはおろか下位の実行犯すら裁くことはできないのである。
 バイデン大統領はいうまでもなくこのことは承知しているが、そこまでやる気があるかどうかというとそこまでの本気度はないのではないか?と私は考えている。
 ということは「プーチンを戦争犯罪者として告発する」というのは、ロシアに対する制裁強化とウクライナへの武器供与などの支援を高めるための理由作りと考えてよいだろう。
 ウクライナ側も戦争犯罪を声高に叫んだ結果、振り上げた拳の降ろしどころが難しくなったかもしれない。不確実性が高まったことは間違いないが、唯一確実なことは、ウクライナ国民のロシアに対する怒りと憎しみはかってない高まりを見せ、新ロシア的政権を樹立するようなことは不可能になったということだろう。
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