金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

恋ノ岐川に岩魚を釣る

2005年08月09日 | 

先週週末から奥只見の恋ノ岐川に行ってきた。「恋ノ岐」とは何ともたおやかな名前であるが、沢の様子も優雅なものだった。遡行記録は追々このブログに書き加えながらまとめるとして、まず何枚かの写真を添付して沢の涼風を送ろう。なお写真は本文以外にフォトアルバム「沢の旅」にも掲載した。

8月6日(土曜日) 天気 晴夜一時にわか雨 田無を5時に出て9時15分頃恋ノ岐川入り口着。先着者の車が4,5台留っていたが、幸いスペースがあった。沢ごしらえをして9時50分に橋の脇から川原に降りる。川の水は少ない様で穏やかな流れの中をジャブジャブ歩いていくbitaki1

左の写真は入渓して2時間半程のところにある4m程の小滝で右側の岩を簡単に登っていく。恋ノ岐川にはこのサイズの滝が多い。

1日目は午後4時頃まで歩き、三角沢出会いのビバークサイトにタープを張る。タープを張ってから、竿を持ち出し20分程岩魚を追ってみるがまったくあたりなし。こっちも早起きやら日頃の不摂生のたたりやらで疲れているのでそうそうに切り上げ、豪勢な焚き火を囲んだ酒盛りを始めた。

寝る直前7時頃遅い夕立が来る。

2日目 曇時々晴5時頃夕立

iwana1  この日の行程は楽なので岩魚を釣り釣り遡行する。まず僕が出発点から10分程登った小さな淵で2匹岩魚を釣り上げた。実は岩魚を釣ったのはこれが初めてである。餌は金曜日の夜近所の上州屋で買った「ぶどう虫」(赤)と「ミミズ」の内「ぶどう虫」を使った。

次のいかにも岩魚がいそうな淵はM君に残して僕はもう少し先に進む。(M君はここで2匹岩魚を釣った)

しばらく行くとただ独り釣をしないN君が大きな淵の手前で待っていた。M君が言うにはこの淵はガイドブック「奥利根・谷川連邦の沢」(白山書房)で岩魚が釣れた写真が出ている淵ということである。そこで僕も竿を入れ簡単に2匹釣る。

この日は1時頃一般的に恋ノ岐川最後の良い宿泊地と言われている標高1500m地点で行動を切り上げタープを張る。一休み後M君は下流へ僕は上流へと分かれ岩魚釣りに出かける。ぶどう虫はM君にあげたので、僕はミミズで挑戦。キャンプサイトから10分程上流に行った小さな淵に魚影を見つけたので岩魚の少し前にミミズを放り込んだらいきなり食いついてきた。この岩魚が僕が釣った中で一番大きく約30cmある。それから暫く登ってみたが適当な淵がないので、引き返し先程の淵に再挑戦。ここで又小さいものを一匹釣る。これで本日の釣果は計6匹である。M君もすでに2匹釣っているので3人のおかずには十分であろうと思いここで竿を収めた。今日の釣果計8匹は塩焼きと岩魚汁にして腹に収めた。流木を積み上げた豪勢な焚き火の中で、厳しい奥只見の冬を何回となく越してきた岩魚を食べると自然の元気を分けて貰える様な気がする。

岩魚釣りのまったくの素人が講釈をたれるのも何であるが少し感想を述べると・・・・

恋ノ岐川中流辺りの岩魚は余り警戒心がないのではないか?(だから素人でも釣れる)

狙い目は釜や淵。淵は大きな岩陰など水流が少し弱い所にいる様だ。餌は結果的にはぶどう虫でもミミズでも釣れた。しかしM君がトライしたテンカラは釣果ゼロ。

oname2  3日目 晴時々曇午後2度驟雨

今日は恋ノ岐川を詰め切り鷹ノ巣の清四郎小屋まで行く日である。コーヒーと卵サンドの朝飯を素早く済ませて6時過ぎ出発。部分的には少し手強い岩場もあるが、ザイルを出すこともなく核心部の大ナメ滝(写真右)に午前9時頃到着。大ナメ滝は5段50mとガイドブックに出ているが、もう少し長い様だ。僕らは下半分はノーザイルで登り上部で2ピッチザイルを伸ばした。1ピッチ目が20m、2ピッチ目で30mザイルが伸びたので下から数えると50mよりは相当大きいだろう。

さて大ナメ滝登りであるが今でも盛んに沢に行っていて「4級までは大丈夫」というN君にトップをお願いする。滝は右側を登り最後は右のカンテを登るのだがカンテは高度感がありそうだ。N君はしかし全く問題なくスイスイ登っていた。私はラストで登ったので余り緊張感はなかく(ただし万一墜落するとロープの流れから相当ブランコ状態になるので少しテンションがあったが)このハイライトを終えた。

ここから上は源流部であり、流れに横たわる倒木を跨いだり笹をかき分けたりとアルバイトな登りが出てくる。ただし忠実に流れをつめると左写真にあるとおり小さな残雪と可憐な花が咲く沢の終点にたどり着く。ここから10分程笹薮を漕ぐと姫の池に飛び出した。

nearpeak 丁度正午である。この後N君は空身で平ヶ岳を往復(40分で帰ってきた!)。ところがガイドブックに4時間と書いてある鷹ノ巣登山道の下りが疲れた体には厳しく5時間以上かかってしまった。

結局6時半を過ぎて清四郎小屋に着き親切な小屋のご主人や奥様の手を煩わせ山小屋としては遅い夕食(宴会)を始めた。

料理は総て美味しかったが中でも追加でお願いした肉とズッキーニの炒め物は絶品。たらふくのビールの他清酒「朝日山」一升瓶を3人で空けてしまう。

翌日はご主人の車で恋ノ岐川出会いの駐車地点まで送って頂く。

多少の雨はあったものの、全般に天気に恵まれ大変良い山行ができた。それにしても恋ノ岐川の隣にある平ヶ岳沢を登ったのが大学1年生だから35,6年前である。この間に長い休み期間はあるとはいえ、30年以上も同じことをやっている自分。若いと考えるべきなのか進歩がないと考えるべきなのであろうか・・・などと考えながら鷹ノ巣への長い尾根道を辿っていた。

コメント (1)
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長寿の秘訣~ウオール・ストリート紙から~

2005年08月02日 | 健康・病気

少し前のウオール・ストリート紙にThe Secrets of Successful Agingという記事が出ていた。ポイントは「ストレスが長寿の大敵なので如何にストレスを減らすか?」ということだが、興味深いので少しポイントを紹介しよう。

  • 長い間我々は健康状態を維持するには、正しい食事を採り、健康的な体重と運動を維持し、そして良い遺伝子を持っていることを希望することだと告げられてきた。しかし恐らく最も重要なことはストレスに対処する能力だろう。
  • 科学者達は人体の潜在的な最長寿命は多少の違いはあっても約120年と見積もっている。それは「種」が異なっても一定の計算式があり、生まれてから成体に達する年齢の約6倍が最長寿命になるというものだ。従って人間の場合成人に達する20歳を6倍すると120歳が最長寿命になる。実際ちゃんと記録に残っている最高齢は122歳である。
  • 遺伝子は長寿に影響を与えるが、スウェーデンの研究によれば遺伝子の寄与率は3割である。従って残りの部分は我々自身で老化に対処する必要がある。
  • これについて多くの答が期待されていた。もしタバコを吸わなければ、酒を多飲しなければ、健康な体重と運動を維持すればより良く年を取ることができるという様に。
  • しかし研究者達は「生涯に我々がどれ程ストレスに直面するか」「ストレスにどのように対処するか」が「如何に上手く年を取るか」という点で最も重要な要素の一つであると見なし始めている。
  • ストレスを管理することが何故重要かということを理解するにはストレスを受ける時身体にどの様なことが起きるかを理解しなければならない。体はグルコースを筋肉に運ぶことでエネルギーを動員する。酸素の供給量を増やすため心拍数、血圧、呼吸数が増加する。一方緊急時に必要のない機能例えば消化機能、性機能そして最終的には免疫機能さえ抑制される。一方痛みを緩和し、感覚を鋭くするストレス・ホルモンが分泌される。
  • ストレスに対する反応は、危機を回避するに必要な期間だけ続くのが理想的である。しかし絶え間のないストレスはストレス反応を「オン」の状態に置き続ける。そうすると高い血糖値、高血圧等ストレス対応状態が続き一方免疫力が低下する。
  • 多くの人々はストレスを無定形の心理的な概念と考えるが、ストレスの累積的な生理学的影響は実際に測定することが可能である。血圧、コレステロール値、心拍数、ストレス・ホルモンレベル等の複合式は「アロスタテック・ロード(負荷)」と呼ばれる。学術的には高いアロスタティク負荷は死期や心臓病にかかるリスク等を高い確度で予測するものである。
  • 残念ながら平均的な人間にはそのアロスタティック負荷を読む方法がない。ロックフェラー大学の科学者達がアロスタティク負荷の概念を発展させてきたが、医療の現場で使える様にする企業スポンサーがまだ現れていないのである。
  • しかしストレス負荷を測るハイテク的方法がなくても、大部分の人は生活の中でストレスを認識している。我々は貧しくで教育水準の低い人の方が豊かで教育水準の高い人より高いアロスタティク負荷を持つ傾向があることを知っている。また強い社会的、家族的リレーションシップを持っている人は孤独な人よりアロスタティク負荷は低い傾向がある。
  • 英国のサッチャー政権の民営化政策の勤労者に与えるストレス負荷の研究によれば、民営化対象の事業の低い職層の勤労者程高い血圧をしめした。彼等は権限がなく、民営化で職を失う不安を抱えていたのである。
  • あるアロスタティク負荷のエキスパートは支配力の欠如がストレスを増大させるという。
  • カーネギー・メロン大学が300人のボランティアに風邪のビールスを注射するテストを行なった。その結果慢性的ストレスが殆どない人々は、免疫システムがビールスを退治し病気にはならなかった。一方失業とか家族の危機といった慢性的ストレスを1ヶ月以上抱える人々は病気になった。
  • 上手に年を取る人は独り者ではない。上手に年を取る人は家族と友人および社会とのネットワークを持っている傾向がある。
  • 結婚は特に男性の場合、老化の危機を防ぐ。一方女性については結婚以外の他のリレーションシップを持っている限り、結婚の有無が老化の危機にはつながらない。
  • 楽観主義、適応性、新しいことを試そうとする意思といったパーソナリティの特性も上手に年を取ることに関連性があると思われる。ノートルダム修道院の修道女について30年間のデータを集めた研究がある。修道院では同じ食事や医療サービスを受けるが何が寿命の違いに影響を与えるかといえば、若い時の「積極的な態度」や「ユーモアのセンス」や「適応力」である。それらのことが修道女の自伝の分析で分かったのである。
  • この修道女の研究や他の研究は、ストレスを管理することは特に精神面の落ち込みを防ぐ点で重要であるということを我々に教えてくれる。ストレスを受けた時、脳に起きることを考えてみよう。ストレスを起こす出来事が起きて最初の約30分、体は脳にグルコースの供給を増加させる。このことの短期的効果は感覚を鋭利にし、記憶力を高めることである。しかしストレスがもっと長く続くと体はもっとグルコースが必要だろうと判断する。その影響は記憶と学習をつかさどる脳の中の海馬に現れる。ストレスホルモンは海馬内のニューロン(神経単位)の発達を抑制するのみならず、ニューロンを殺すのである。この結果海馬が萎縮する。海馬の萎縮はアルツハイマー症の兆候である。
  • もっともこのことは高いストレスを受けた人間がすべてアルツハイマー症にかかるとかすべてのアルツハイマー症の原因がストレスであるということを意味しない。しかしストレスは明らかに我々の身体に大きな損害を及ぼす。
  • ではどう対処すれば良いか?最初のステップは良い食事をするとか体重や運動を管理するといった基礎を整えることである。しかしそれだけで十分ではない。人生のどこかの局面ですべての人は職、結婚、健康における不確実性といった持続的なストレスを受ける。上手に年を取った人も同じようなストレスに面してきた。ただ彼等はストレスに上手く対処する技術を持っていただけである。
  • 「支配」の有無ということがストレス研究者の共通のテーマである。上手く年を取る人は典型的に日常生活を自分でコントロールしていると感じている。しかし彼等は自分がコントロールできない問題について苛立つことはない。
  • ストレスは又予測できる時には与える損害が少ない。
  • 運動は健康問題に関する良い解決方法であるが、ストレスに対処する時特に有効である。というのはストレス反応として筋肉のエネルギーを増加させるが、運動で筋肉を使うことによりストレスのはけ口を与えるからである。
  • 良く眠ることもストレス減少に重要。

以上端折った積りながら結構長い訳になってしまった。アメリカの経済紙がこれ程詳しくストレスのことを論じるのは如何にアメリカのビジネスパーソンがストレスを感じているかということの証左であろう。

ところで日本の社会も予定調和型から本格的市場経済型へ移行してきた事でストレス要因が増えてきた。

この記事の一つのポイントは人生における「支配」ということの大切さである。それは禅の言葉で言えば「随所に主たれ」ということである。

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しのぶさんが悲しい

2005年08月02日 | テレビ番組

私は寺島しのぶのファンである。寺島しのぶはそれ程美人ではなく(ごめんなさい)、むしろどこにでもいそうな顔なのだが、情念のこもった体当たりの芝居は素敵だ。芝居といえば今年の1月福岡の博多座で「新・近松心中物語」を見たがとても良かった。

その寺島しのぶが今日本テレビの「おとなの夏休み」(水曜日午後10時)に主演している。私は平日余りテレビドラマを見ないが寺島しのぶが主演するので何回かこのドラマを見ているが、ドラマとしては面白くない。

あらすじは結婚して10年程の専業主婦(寺島しのぶ)が、ひょんなことから江ノ島で海の家を開業する話なのだが、ドラマ性が乏しいし寺島しのぶの情念を発揮するところもない。

当然家族の受けも悪く妻は私が「おとなの・・・」を見ている間に風呂に入っている。私にしてもこの先「おとなの・・・」を見続けるかどうかやや疑問である。寺島さんには悪いが・・・。

寺島しのぶさんには作品を選んで欲しかったなぁと思う。ネットでこのドラマに対する意見を見ると「主演女優は美人でないとね」なんて批評も出ている。寺島ファンとしては辛い批評だがある程度当たっていると言わざるをえない。寺島しのぶは決して「そこにいるだけで華がある」女優ではない。寺島しのぶは情念の女を演じるべき女優である。

「おとなの夏休み」は視聴率が低そうでドラマとしては失敗に終わるかもしれない。余りはまり役とも思えない専業主婦役を一生懸命演じている寺島しのぶを見ていると少し悲しくなる・・・

仮にこのドラマが失敗でもあなたには演ずべきテーマがあるはずだ。がんばれ 寺島しのぶ。

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