虫明亜呂無『女の足指と電話機――回想の女優たち』(高碕俊夫編、清流出版)を読んでいて、「うわぁっ」と声をあげてしまいました。
それは「大人向け娯楽映画の真骨頂『大陸横断超特急』」という文章を目にした時のこと。
それは「大人向け娯楽映画の真骨頂『大陸横断超特急』」という文章を目にした時のこと。
この時の気分を何といえばいいでしょうか。懐かしい昔に不意打ちを喰らった驚きと、喜び。「そうだ! この映画があったんだ」と、気持ちのどこかに力こぶが盛り上がるのを感じました。
その次に思ったのは、あんなに入れ込んでいた映画を、どうして今の今まですっかり忘れていられたのだろう? ということ。
1970年代。映画をずいぶんと観た中でも屈指のお気に入りといってもよかったと思います。それなのに記憶の底の底に埋もれて思い出すことがなかったのは、観たのが20代も後半になってからだったせいでしょうか。それと同時に、この映画の評判を目にすることがずっとなかったせいもあるかもしれません。
ああ、無性にまた観たくなってきたぞ。時間が出来たら借りてこよう!