惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

「種子のデザイン」展

2012-01-25 21:36:46 | アート・文化
 一昨日、大衆文学研究賞贈呈式の会場に行く前、銀座の京橋のINAXギャラリーに寄って「種子のデザイン」展を見ました。
 これは友人の小泉さんに教えてもらい、ぜひ見たいと思っていたもの。

 タイトルどおり、植物の種子の形を見せる企画ですが、移動戦略にしたがって――

  • 風に乗って旅をする
  • 漂流する冒険者たち
  • 動物との巧みな駆け引き
 の3部門にわかれています。

 「風に乗って……」では、熱帯のつる植物アルソミトラの種子にうっとり。まるで「ナウシカ」のメーヴェのような形をしています。半透明の羽の部分が繊細で美しい。
 アオギリがこんな種子をつけるのか、と驚いたりもしました。
 風で散る種子の模型もあって、会場で飛ばしてみることができます。

 「漂流する……」では、なんといってもフタゴヤシでしょう。世界最大の種子。2つの殻がくっついたような格好をしていました。

 「動物との……」は、要するにひっつき虫のたぐいですが、「ライオン殺し」なんていう、撒きビシの巨大なやつみたいなのもあります。

 あと、自力で弾き飛ばす蒴果も展示されていて、とにかく面白い。

 植物は思考能力などないように思われていますが、長年の進化の過程で巧妙な戦略を見出していることがわかります。つまり、世代を重ねながら「思考/試行」しているんですね。考えるのは脳ミソだけの仕事ではないのだ。

 「種子のデザイン」展は2月25日(土)まで(日曜・祝日は閉館)。入場無料。