夕食はちらし寿司。田舎の高知では「五目寿司」と呼んでいました。家庭で食べるには、これがいちばん手軽ですよね。
で、食べながらの連想で、大学生の頃、いちどだけ日本橋人形町の京樽で茶巾寿司を買ったことを思い出しました。
3年生になって本郷のキャンパスに通うようになり、私は江東区清澄に安い部屋を借りました。倉庫の屋根裏のようなところに無理矢理つくった部屋で、さらに上の3階にあたる部分に家主さんの住まいがあるという奇妙な構造。
四畳半ぐらいの部屋は鉄骨むきだしで、隅に小さな流しもガス台もあるという簡素この上ない住まいでした。
そこで自炊しながら勉学やSF研の活動に励んでいたのですが、時々は外食をしたり今でいうテイクアウトのお惣菜を買ったり。
最寄りの駅は隅田川を渡った日本橋人形町にある地下鉄の駅。そこまで1キロぐらい歩いて、電車に乗りました。
その人形町の駅のそばに京樽の本店があったのです。
店の前を通るたびにきれいに作られた茶巾寿司が気になり、いつかは買って食べようと思ったのでしょう。ある日、一念発起して買い求め、持ち帰って食べたことでした。
味よりも、あの頃の町や店のたたずまいを思い出して、なつかしくなったことでした。
お寿司はなんかうれしくなるものでしね。もちろん、今夜のちらし寿司もうれしく、そして美味しゅうございました。
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