惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

スキーター・デイヴィス

2017-01-14 21:41:24 | 

 日本語タイトルが「この世の果てまで」となっているアメリカのスタンダードナンバー「The End of the World」は、もともとは1963年にスキーター・デイヴィスが歌ってヒットした名曲。

 ちょうどその頃、洋楽とSFに目覚めた私は英語タイトルを見て、「すわ地球絶滅テーマの曲か!」と興奮し、 歌詞を懸命に読んだものでした。そしたら、「貴方がもう私を愛してないのに、なぜ、この世界が続いているのかしら」という、恋に破れた女心を詩的かつ妄想的に歌うラブソングなのでした。

 最近、我が家でこの曲のことが話題になったので、スキーター・デイヴィスについて少し調べてみました。

 本名、メアリ・フランセス・ピーニック。1931年12月30日生まれで、亡くなったのは2004年9月19日。もっとも有名な女性カントリーシンガーの1人とありました。
 スキーター・デイヴィスという芸名は、もともと、ハイスクールで意気投合したベティ・ジャック・デイヴィスらとコーラスグループを組み「デイヴィス・シスターズ」と名乗ったところからきているようです。
 デイヴィス・シスターズはRCAと契約し、1953年には「I Forgot More Than You'll Ever Know」という大ヒット曲を発表します。カントリー部門で8週連続1位、ポピュラー部門でもトップ20に入ったというから素晴らしい。ところが、この曲がヒットしているさなか、彼女たちは交通事故に遭い、ベティ・ジャックは死亡、スキーターも重傷を負ってしまいました。
 回復したスキーターはベティ・ジャックの妹とデイヴィス・シスターズを復活させますが、うまくゆかず解散、ソロシンガーになります。その後、飛ばした大ヒットが「The End of the World」だったのです。

 ということで、デイヴィス・シスターズ時代のスキーターに興味を覚え、代表作「I Forgot More Than You'll Ever Know」を聴いてみました。

 これも失恋の曲。恋人を奪った女性に向かって、「あなたなんかより、私の方が……」と、彼を忘れられない気持ちを切々と歌っています。
 タイトルは「あなたが知るよりもっとたくさんのことを、私は忘れたわ」という奇妙な意味になりますが、この場合の「忘れた」は「覚えている」という意味なんですね。女心の複雑さというか、どうしても忘れられないけれど「忘れた」と言い張るしかないのでしょう。
 伴奏にはチェット・アトキンスがついているといいます。印象的なギター演奏は彼のものでしょう。
 歌詞といい、曲といい、演奏といい、なかなかのもの。今回、初めて聴きましたが、すっかり気に入りました。


堆肥の切り返し

2017-01-13 21:26:31 | 園芸

 日記の更新ができなかった昨日につづいて、今日も真面目に仕事。
 特に今日は原稿を書いて(書こうとして)いたので、音楽もほとんど聴いていません。聴いていると、原稿が書けないし、書いている時は集中しているので、聴こえなくなります。

 ただし昨日は、この冬いちばんの寒気が到来する前にと思い、堆肥の切り返しを行ないました。
 本格的に作っているわけではなく、基本的には、剪定枝をチップにしたものを庭の隅に積んであるだけなのですが、それに加えて枯れ葉なども混ぜています。
 積みっぱなしだとムラができそうなので、春までに1~2度は切り返すことにしています。

 今回は、少し米ぬかを加えてみました。発酵が進み、寒い時でも熱をもつのではないかと考えて。そうすれば、中にいるはずのミミズたちも活動しやすいのではないでしょうか。
 米ぬかだけでなく、卵殻をすり潰したものも混ぜました。これは堆肥の成分を良くするため。こうして作った堆肥を使えば、トマトの尻割れを予防できるのではないかと、素人ながら考えています。

 明日からすごく冷えそうです。


裏声

2017-01-11 20:55:57 | 

 斜め前のお宅の取り壊し工事が本格的になり、日中はとてもうるさい。時折り、振動で家が揺さぶられたりします。

 なので、音楽を聴けるような環境にはないのですが、工事の休止中にかけたのはロイ・オービソンのアルバム『ミステリー・ガール』。
 1988年、52歳で亡くなっ翌年に出た遺作。まだまだ若いので、衰えはまったく感じさせません。

 ロイ・オービソンはファルセットを多用しますが、この人のファルセットは自然で、美しい。悲痛な感じ、晴れやかな感じ、どちらにもよく合います。惜しいことをしました。


隣町まで

2017-01-10 21:05:23 | 自転車

 夕方、クロスバイクを引っぱり出して、ちょっと遠出。隣町、府中の分倍河原まで行って来ました。
 確かめたいルートがあったのです。大きな国道ではなく、裏道を走ればどんな具合かと。

 途中、東京競馬場までは何度も行ったことがあるのですが、その先、自転車では初めて。競馬場には回らず、旧甲州街道をたどり、大國魂神社のすぐ前をかすめるようなルート。踏切がひとつありますが、あまり信号にも引っかからず、わりと走りやすい道。片道30分かかりました。

 その前、仕事の時のBGMは、ナンシー・シナトラとロバータ・フラック。

 ナンシー・シナトラは、ついこの前も書きましたが、洋楽と出会った頃からの懐かしい歌手。
 「レモンのキッス」、「イチゴの片思い」などは、日本だけのヒットだったようです。中学生になり、本格的にポップスを聴き始めてからは、「にくい貴方」「シュガータウンは恋の町」「恋のひとこと」など、ラジオから流れてくるのを楽しみました。パンチの効いた歌い方と、少しサビの入ったような甘い声が魅力的。

 ロバータ・フラックは、何といっても、ソフトな歌声。心に沁みます。大学生の頃のヒット曲「やさしく歌って」が、やはりもっとも印象的。当時、シングル盤を買って、歌詞も覚えました。

 この曲は、人の心をつかむ素晴らしい歌手のことを歌っていますが、後に、そのモデルがドン・マクリーンだということを知ました。「アメリカン・パイ」という大ヒット曲をもっています。
 ドン・マクリーンも聴きなおしてみたい歌手のひとり。


粕漬け

2017-01-10 08:26:43 | 食・レシピ

 (昨夜はサーバーの具合が悪かったので、日が改まってから、9日の日記を更新しています)

 昼過ぎから青空が広がり、気温も気持ちも上向きました。冬とはいえ、寒いのはしんどい。

 夕方の散歩(といっても、自転車も使いましたが)は、つつじヶ丘まで。今年、初めて。

 本屋さん「書原」では1冊だけ、毛利眞人『ニッポン・エロ・グロ・ナンセンス』(講談社選書メチエ)を購入。隣のスーパー・オオゼキでは、特売の凄く安いワイン(サンタ・バイ・サンタカロリーナ)と芋けんぴ(塩)を買いました。

 その後、急いで帰宅して、庭で七厘に火をおこし、夕食のおかずを焼く。マグロの粕漬け。
 数日前に食べたブリの切り身には及びませんが、それでも、とても美味。粕漬けは魔法のように、魚肉の味を変えます。素晴らしい。

 仕事のBGMで流していたのは、ナット・キング・コールとサム・クック。どちらも黒人で、父親が教会の牧師。幼い頃から、教会音楽に親しんでいたという共通点があります。
 ベスト盤のCDを聴いたのですが、ライナーノートによれば、ナット・キング・コールは、最初、自身のピアノトリオでピアノ演奏に専念し、歌うつもりはなかったとか。お客さんに無理強いされる形でホテルのショーで歌ったのが歌手としての始まりだったそうです。そして、やはりそういった席で、お笑い芸人が紙の王冠をナットの頭に落とし、「キング」と呼んだため、以後、「キング」の名がついたとも書かれています。

 どちらの歌手も、ゴスペルやジャズ、カントリーなど、さまざまな要素の混じった名曲を作り、演奏しました。うっとりします。