金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

企業価値とは何か

2006年09月21日 | 金融

ある人から「野村証券会社がインターネットで提供している証券用語辞典で企業価値の定義をみると

企業価値=ネット有利子負債+株式時価総額

という定義が出ていたけれどこれはどういう意味?」と質問を受けたので簡単に回答しよう。

1.まずこの定義は上場会社にしか適用できない。何故なら株式時価総額は上場上場会社でないと計算できないからである。

2.そこでまず非上場会社を含めたより一般的な企業価値の計算方法との対比で考えてみよう。企業価値の計算には将来のフリーキャッシュフローを現在価値に割り引くDCF法Discount Cash Flowが一般的である。

つまり

① 財務予測をもとにして将来のフリーキャッシュフローを予測し

② それを資本コストで現在価値に割引計算して

③ 遊休資産の処分価値を見積もって加算し

④ 有利子負債を控除する  というものである。

ところで理論的に「株価とは何か?」というと企業が将来稼ぐ一株当り利益の現在価値というのがファイナンスの教科書が教えるところである。もっともこれは市場=投資家が正しい判断を行なっているということが大前提だが。

つまり全発行済株式に対応する時価総額とは株主に帰属する企業価値を市場が算定したものであるといえる。

ここである上場会社を買収しようとする者は、その会社の株主から総ての株式を買収するとともに、その会社の債権者(例えば銀行)に債務を弁済しなければ完全にその会社を支配下に置くことはできない。ということはある会社の価値とは株式時価総額と債務の額ということになる。

なおDCF法①-③で企業価値を算定する場合は、株式+債務に係る企業価値を算定しているので、そこから有利子負債を控除したものが企業価値となる訳である。

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小泉さんの辞め方が好きだ

2006年09月21日 | うんちく・小ネタ

昨日安倍晋三氏が自民党の新しい総裁に決まった。安倍氏は在位期間歴代3位の小泉さんの後を襲うだけに今後何かと小泉さんと比較されて苦労することも多いだろう。また小泉さんが最後の最後まで高い支持率を誇ったことも今後安倍氏のプレッシャーになるかもしれない。

小泉首相の人気が歴代首相と異なり最後の最後まで落ちなかった理由の一つに私は「きっぱりとした辞め方」があると考えている。つまり二度と再び国政のトップに戻ったり、院政を敷いたりしないという潔ぎ良さが共感を呼ぶのである。

フランスのモラリスト ラ・ロシュフーコーは「人間の偉さには旬がある」と言う。偉さの旬を過ぎた人間がトップに座り続ける弊害が老害である。現在はグローバル化と情報革命の時代であり政治もビジネスも動きの激しい時代なだけに、若く元気な人間が全力投球しないとつとまらない時代である。

日本の首相もアメリカの大統領と同様、引退した後は悠々自適の生活を送り慈善活動等に精を出す時代になってきたのだろう。

日本政府も米国並みに首相を辞めた人が慈善活動等に力を発揮できる様な便宜を図ることを考えるべきだろう。それが老害を押さえ若い政治家に活躍の場を与える方法である。

小泉さんには首相の引退後の新しいあり方というものを示して貰いたいものである。

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IP電話をやめるめことにした

2006年09月21日 | デジタル・インターネット

半年ほど前からIP電話に加入していたが、この前旅行で家を空けて数日振りに電話をかけ様としたがつながらないのである。携帯電話から自宅の電話にかけるとこちらはつながった。つまりインカミングはOKだが、アウトゴーイングは駄目という状態であった。そこでまず電話機の故障(10年位前の製品である)かと思い発売元に携帯から電話をかけようとした。ところが商品説明書に出ている電話は0120番号で、これは携帯電話からはつながらない。そこでインターネットで発売元のホームページを探し何とか携帯からかかる電話番号を探しコンタクトをとった。(因みに発売元の松下電器さんは親切で先方からコールバックしてくれた)

そして電話の配線をADSLモデム経由からダイレクトな配線に変えてようやくアウトゴーイングも回復した。しかしこの状態はIP電話ではなく従来の電話回線利用状態のはずだ。

NTT東日本に連絡してIP電話の不具合を直す方法もあったが、旅行から帰ったばかりで疲れていたからそのままにしておいた。というのはその直後にインターネットの接続回線をADSLから光ファイバーに変えたからである。光ファイバーに変えると従来のIP電話は解約になる。IP電話を使うには新たに光ファイバーを使ったIP電話を申し込む必要がある。しかし今回は光電話に変えずに従来の回線のままにしておいた。というのはどうもIP電話の安定性に疑問があったからだ。

と思っていると今日の朝日新聞朝刊に「ひかり電話 連日障害 NTT東日本」という記事が出ていた。記事によるとIP電話は低料金を売り物に加入者が一千万人を越えているが、従来の固定電話網に較べると通信障害が多く品質確保が課題になっているということだ。又ソフトウエアの不具合が原因のケースが多く障害の原因特定や復旧に時間がかかるそうだ。私もそれほど通信やパソコンに強い方ではないがご年配の方など電話がつながらないとリカバリーに結構苦労されるのではないだろうか?

この記事を見て暫らく光電話に切り替えるのを待つ決意を新たにした。

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