金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

中国のリスク、ちょっぴり取ってみた

2006年09月04日 | 株式

個人資産の運用は投資対象をじっくり研究して、納得した上で行なうのが原則だろうが、私は時々ちょっとしたヒントで投資をしていることもある。結果は必ずしも成功とは限らないが多少の遊びはかまわないと思っている。中国についてはいずれどこかで少しリスクを取ってみたいと思っていたが、ウオール・ストリート・ジャーナルにこんな記事が出ていたので、香港の東亜銀行Bank of East Asiaの株を少し買ってみた。

  • 中国の銀行セクターの株を保有したいと思いながらも、中国の銀行の信用リスク管理に懸念を抱いている投資家にとって代替案がある。それは香港の地場最大の銀行東亜銀行Bank of East Asiaの株を買うことだ。因みに中国の商業銀行(中国工商銀行など)の不良債権比率は7.5%だが、東亜銀行のそれは0.5%に過ぎない。また中国の大手銀行では時にはトップクラスまで巻き込む定期的な横領・着服事件がある。
  • 過去10年以上にわたって、東亜銀行は中国に支店網を構築してきた。現在支店は27、駐在員事務所は11の都市にある。これらの投資は報われつつある。今年度の前半6ヶ月で同行の中国からの税引前利益は36.6百万米ドルで80%の伸びであった。また中国からの利益は同行の全体の利益の15%を占めている。
  • 今月過去7年間で初めて同行の株を買い推奨に格上げしたメリル香港の銀行アナリストは「中国は東亜銀行にとって重要な部分になってきた」と言う。
  • 香港のGDP成長率は5%で中国のそれは9%、また貸出の伸びは香港が4.4%だが、中国は14%である。東亜銀行は中国ビジネスに力を入れることで他の香港の銀行と差別化を図っている。
  • もっとも東亜銀行の株価は既にこれを織り込んでいて、今年のハンセン指数の上昇率16%を大きく上回り、年初来47%も上昇している。これはハンセン指数公正銘柄の中で最もパフォーマンスが高い。シティコープのアナリストは「東亜銀行のパフォーマンスは中国のビジネスに比例するので、まだ強気でいける」と言う。
  • 東亜銀行のリスクは中国の経済コントロールリスクだ。中国が景気過熱を抑えるため金利を引き上げると東亜銀行の中国向け貸出ビジネスを鈍化させる。

東亜銀行の株は200株から買うことができる。一株34.5香港ドル程度だから邦貨換算550円強である。PERは15倍程度なので日本の地銀の株を買う積りで少し買ってみた。銀行という業種は自分が働いていただけに、海外のものであれ何となく親しみを感じてしまう傾向がある。これまた一種のホームバイアスかもしれない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする