金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

【山の雑学】山小屋の予約に関する考察

2011年09月06日 | 

都会は暑い日が続くが、山好きの人の心は紅葉の秋山に飛んでいる。私も10月には3回登山を予定している。その内1回はテント泊なので、小屋の予約は要らないが後の二つは宿泊場所の確保が必要だ。特に問題なのは「体育の日」の三連休。常念岳から蝶ガ岳を越えて徳沢に縦走する予定なのだが、今日徳沢の二つの小屋に予約の電話を入れたところ、二つとも既に満室だった。

慌ててルートを少し変えて、蝶ガ岳の手前から横尾に下りて横尾山荘に泊まることにして同山荘に電話すると、「予約は1ヶ月前の応答日の朝7時からです。相当混雑しますのでお早めに」と言われた。こちらは9月9日に予約することにして、とりあえずその前日の常念小屋に予約を入れるとこちらはOKだった。

ここからが山小屋の予約に関する考察なのだが、まず小屋によって「1ヶ月前でないと予約を受け付けない小屋」と「もっと前から予約を受け付ける小屋」があることが分かった。更に徳沢園~これは山小屋というより山の中にある旅館という感じなのだが~のホームページを見ると、「予約金を現金書留で送れ」と書いている。

ところで本来の山小屋は、登山者の安全のため、予約がなくても宿泊させることになっている。天候や体調の急変で予定の小屋にたどり着けないこともあるからだ。予約客以外の登山者が泊まる場合、予約していたからといって十分なスペースが確保されないことも多い。混んでくると二人で布団一枚ということも起こりうる。予約は気休めに過ぎないことも多い。

だが小屋によっては予約の効果があるところもある。例えば横尾山荘だ。こちらは予約しておくと、二段式のベッドが割り当てられ、予約がないと大部屋に詰め込まれる可能性が高い。

徳沢の二つの山小屋(徳沢園と徳沢ロッジ)のようにあらかじめ「予約で一杯です」と断る山小屋では~経験はしていないが~もし当日「泊めてくれ」と頼んでも断られると思われる。「うちは予約方式です」と言って。

ということは徳沢の二つの山小屋はもはや山小屋ではなく、普通の旅館かホテルになったということである。観光の波は上高地から徳沢まで浸食している。ハイシーズンのこれらの小屋の予約を取ることは、バブル期のゴルフ場の予約ほどに難しくなているかもしれない。

満員の山小屋では同宿者のいびきやトイレへの動きで安眠を妨げられることも多い。テントやシュラフが軽量化している現在、テントを活用するのも一つの選択肢だろう。

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ドイツ国債利回り2%切れ、日本型への懸念増大

2011年09月06日 | 投資

先々週から先週にかけて、日米で大型台風が猛威を振るった。だが欧州の金融界を襲っている台風はもっと規模が大きそうだ。

昨日の欧州市場では、イタリア10年国債の利回りが5.56%に急上昇し、一方ドイツ10年国債は史上初めて2%を切り1.85%まで下落した。これは先週金曜日に1950年以降初めて2%を切った米国債に追随する動きだ。デフォルト懸念が高まるギリシアの1年国債の利回りは82.1%に達している。

価格が急落している南欧諸国の国債を抱える欧州の銀行に対する懸念が高まり銀行株は急落している。

FTによるとドイツ銀行のアッカーマンCEOはフランクフルトでの銀行カンファレンスで「自明の理とは言わないが、明らかなことは多くの銀行はポートフォリオで抱えている国債の含み損を償却することはできないだろう」と述べている。

FTは「数ヶ月後に振り返るとドイツ国債の2%という利回りは非常に魅力的に見えるだろう」というロイヤル・バンク・オブ・カナダのストラテジストの意見を紹介している。

市場は10年国債利回りが2%を切った日本の過去を重ね合わせているようだ。1997年に2%を切った日本国債利回りはその後、ごく短い期間を除いて2%以下で推移している。欧州経済が超低成長に陥り、株式リターンの低迷が続くとドイツ国債や米国債のようにリスクが少ない国債利回りは超低空飛行が続くという予想が働いている。

☆     ☆     ☆

台風の話に戻ると、先週末私は八方尾根から唐松岳に登る予定で八方池山荘まで登った。だがそこから1時間ほど登って引き返した。風雨をついて登る理由はない。自然の猛威の前で人間は余りに小さく、危険を予防するのは最新の雨具ではなく、危険に近寄らないことである。

ドイツのショーブル財務相はFTに「倹約政策に固執することが欧州の回答だ。今の短期間の痛みと長期的な収穫とのトレードオフである」と述べている。台風のアナロジーでいうと、これはいわば悪天候の時はじっとしているという対応策。だが多くの投資家はこの意見に反対で、中央銀行に景気刺激策を期待している。

中央銀行の景気刺激策は、最新の雨具に例えることができるだろう。通常の風雨であれば、今の雨具は凌ぐことができる。しかしやはり人力を超えた暴風雨には立ち向かえない。欧州に始まり世界を吹き荒れる暴風雨の大きさは雨具で凌げるものだろうか?

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白馬方面、お得な高速バスだがリスクは災害

2011年09月06日 | 旅行記

この前八方尾根に行った時、往路は高速バスを使った。新宿から八方尾根の麓・白馬八方に行く時、高速バスは安くて便利な手段である。新宿京王デパート向かい側の高速バス乗り場を8時に出発するバスは、途中2回(各10分)の休憩を取って12時40分に白馬八方に到着する。所要時間は4時間40分で、片道料金は4,700円だ。

これをJRと比較してみよう。同じく8時に新宿を出る特急あずさ5号と大糸線の快速を使ってJR白馬駅の到着時間は12:25分、白馬駅から八方尾根まではバスかタクシーを利用することになるから、八方山麓への到着時間はほぼ同じだろう。JRの料金は8,100円である。高速バス代はJR料金の6割以下だ。

さらに高速バスには往復割引がある。往復料金は8,500円だから片道4,250円になり、JR料金の半分強になる。所要時間はほぼ同じで料金はほぼ半額。

読者の中には既に高速バスを利用されている方も多いと思うが、新幹線や中央線のような幹線がカバーしていないエリア(白馬は単線の大糸線の駅)では、高速バスの利用が有利なことが多そうだ。

ただし高速バスのリスクは台風等の自然災害。今回帰路は松本からJRを使ったが、もし高速バスを使っていたら、台風12号の影響で中央自動車道が寸断されていたので大変なことになっていただろう。

余りバスの宣伝をすると、乗客が増えて予約が大変になるので、リスク面も合わせてお知らせした次第です。

コメント (1)
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