金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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円ドル為替は米国株の水先案内人

2014年02月25日 | 金融

CNBCに「現在一番重要な株価のインジケーターは日本円」という記事がでていた。

円安になる米国株は上昇し、円高になると米国株は下落する。その理由は円を借入通貨に使ったキャリートレードにある。金利の低い円で資金を借りて、金利の高い豪ドル資産などに投資するキャリートレード。大々的な金融緩和を一つの柱とするアベノミクスはこのキャリートレードに拍車をかけた。

今円で調達した資金が向かう先は米国の株だ。借りた円を売りドルを買ってそのドルで米国株を買う。しばらく低迷していた米国株は再び高値更新に向かって動き始めた。昨日のS&P500はザラ場で最高値を更新して、終値では高値更新まで1ポイントまで迫ってきた。

米国株が買われる理由は米国が景気回復ムードにあること、好調な企業収益、政治的な落ち着きなどの国内情勢と欧州の景気回復や新興国のメルトダウンリスクが後退したと投資家が判断したことだ。

円安は日本株も押し上げる。日本株と米国株の連動性は高まっているからその相乗効果も米国株にプラスに働いている。

ドル円の見通しについて、野村證券のJens Nordvig氏は今年第2四半期に110円まで円安が進行し、年末は114円になると予想する。またドイツ銀行のRuskin氏の年末の予想は115円である。シティバンクのEnglander氏の予想は107円だが、円安に振れる可能性が高いと予想する。米国の長期金利がじりじりと上昇して、日米金利差が拡大してくると115円はさておき、100円台の後半まで円安が進むことはあると私は考えている。

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