昨日はワイフと八王子夢美術館で「粋な古伊万里」を観た。
江戸初期から18世紀中頃まで伊万里焼はヨーロッパに輸出され宮殿で珍重された。
その後ヨーロッパで伊万里や中国磁器に匹敵する焼き物が作られるようになり、伊万里焼の輸出はストップする。
輸出市場を失った伊万里焼は、量産体制を整え、国内向けに廉価で実用的な食器を提供するようになる。
今回の展示会で主に展示されているのはこの実用的な食器だ。
実用食器となった伊万里焼は、屋台や料亭といった外食産業を支えた。
当時日本には大きな消費者市場があったので輸出が途絶えた後も伊万里焼は栄え続けることができたのだ。
このことは今日の日本やアジア諸国の産業のあり方にも示唆するところがありそうだ。
経済的な豊かさを文化につなげる時、さらに新しい次元の消費が生まれてくる。そして消費は新しい文化を生み出していく・・・
伊万里焼は日本の技術レベルの高さとともに江戸文化の豊かさを教えてくれるのである。