金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

日経新聞の2つの金融記事、関連をどう読みますか?

2019年11月11日 | デジタル・インターネット
今日(11月11日)日経新聞ネット版(紙はお休み)で、気になった金融記事が2つありました。「SBI、福島銀行に出資」と「メガバンク2強に理系トップ誕生か」です。
新聞記事は一つ一つの意味を考えるより、時系列的に眺めたり、複数の記事の関連を考える時、何かが見えてくると思います。
今日の二つの記事から容易に推測できることは「低金利や高齢化で苦しんでいる銀行がデジタルトランスフォーメーションやフィンテックに向けて漸く動き出した」という現象的なことです。
加えて私は日本の金融界でも、データや情報処理を真剣に考え、情緒的・感覚的・主観的経営判断から、ビックデータをベースにした経験的で客観的な経営判断に流れが変わろうとしているのではないか?と考えています。

さて冷静に銀行や証券会社と情報の繋がりを考えてみると30年位前まで、大手銀行や大手証券会社は「非公開情報のみならず公開情報も制度的に握っていたが、インターネットの発展でこのような情報寡占はなくなった」ということができます。
 私が30年程前外債ディーラーをしていた時の例から一つのエピソードを述べます。その頃長期にわたる過去の為替レートや内外の長短金利などをグラフ化するにはそれなりにお金のかかるデータベース(公開情報)を購読している必要があり、我々はそれを一つの武器にして取引先に情報提供を行っていたのです。
 しかしインターネットの発達によりこの程度の情報は誰でもほぼ無料で手に入れることができるようになりました。つまりインターネットの発達は情報を寡占していた金融機関の優位性を奪ったのです。そしてその優位性は大量のトランザクションデータを収集することができるアマゾンやグーグルというネットの巨人に移ったというべきでしょう。
メガバンクに理系トップが誕生するとすれば、それは単に社内のデジタルトランスほーメーションを進めるというだけではなく、「ビッグデータをどのように金融業務に結びつけるか?」を真剣に考えている証かもしれません。
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SBI,福島銀行の資本・業務提携構想が前途多難と考える理由

2019年11月11日 | ライフプランニングファイル
今朝(11月11日)の新聞にSBIホールディングスが福島銀行に10億円ほど出資し、資本・業務提携を行うという記事がでていた。SBIにとっては島根銀行との提携に続く第2弾となる。
提携の詳しい内容は不明だが、記事によると金融・IT分野でSBIがノウハウを提供するということだ。では福島銀行は何を提供するのか?ということについては記事は言及していないが、顧客(ないしは顧客情報・基盤)と行員の労働力ということだろう。
だが私は直観的にITオリエンテッドな企業と地銀の業務提携は前途多難なのではないか?と考えている。少なくとも地銀側が期待している「収益力の回復」は難しいし、もし収益力が回復するとすれば多くの行員の血が流れるのではないだろうか?
 無論「血が流れる」というのは人員削減が進むということだが。
そう考えるには次のような理由がある。
 第一に「地銀の顧客はリスク商品の販売に適していない」ということだ。SBIホールディングスの売上構成を見ると銀行・証券・保険などの「金融サービス」が6割、アセットマネジメントが4割弱でバイオなどその他が若干という構成になっている。
 SBIとの提携後地銀は顧客にリスク商品を販売して手数料を稼ぐことで収益力の向上を図ろうとするが、基本的にこの考え方が間違っている。
 なぜなら「基本的に多額の安定的収益を持たない個人層は大きなリスクテイクをしてはいけない」というのが投資の鉄則だからだ。投資で裕福になることもあるが、同じ程度の割合で財産を失う可能性もある。投資で損をしても別の方法で取り返すことができる個人が投資で成功するのであり、なけなしの金を賭けて成功することは決して多くはない(少ない成功例は報じられるがはるかに多い失敗例はあまり報じられない)。つまり年金暮らしの退職者層にリスク商品を販売するようなことは禁手なのだ。地方にもリスクテイクができる投資家層はいるが残念ながらそのような顧客は、大手証券会社・外資系アセットマネジメント会社などに囲い込まれていて地銀の顧客層にはほとんどいないと考えるべきだろう。
 次にITと金融(特に地銀クラス)では「情報に関する考え方が根本的に違う」ということだ。日本の金融機関は「預金残高を中心に顧客情報を外部に秘匿する」ことを前提にビジネスモデルを構築してきた。しかし米国を中心にIT先進国では「顧客が同意すれば他行や証券会社の残高データも共有できるしようにしよう」というのがもっぱらの流れだ。これはAPI(Application Programming Interface )という技術を使って複数の金融機関の残高情報を一つのプラットフォームに表示しようというもので、アグリゲーションサービスaggregation serviceと言われている。残念ながら日本ではあまり普及していないが、ファイナンシャルプランナーが資産管理アドバイスを行う場合など金融資産を可視化し、リスク特性などを分析する上で資産情報の統合は不可避だと私は考えている。
なお住信SBIネット銀行はこのアグリゲーションサービスを提供している。どれほどの顧客が利用しているかどうかは知らないが。
IT技術と金融技術が融合するということは、顧客の収入や全資産を一元的に把握し、その顧客の許容リスク度を客観的に判断しながら、最適なリスクテイクの在り方をアドバイスし、金融機関は適正な報酬を頂くというものなのだが、そのような基本認識が腹落ちしているかどうか私は疑問に感じている。
よってこのような提携は前途多難と考えているのである。


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山の会のスライドショー、Swayを使ってメンバー共有

2019年11月11日 | デジタル・インターネット
今日(11月11日)ある顧問先で山仲間の集まりがある予定だ。日頃一緒に山に行っていない新しいメンバーも参加するので、「活動内容をスライドショーにして欲しい」という依頼があったので、スライドショーを作成した。
今日はプロジェクターで公開する予定だが、「スライドショーを共有させて欲しい」という希望がありそうなので共有方法を考えてみた。

一昔前ならDVDで焼いて配布するのが一般的だったかもしれないが、今ではネット上の共有が一般的だろう。ただメンバーの顔写真が入っているので「公開」するには抵抗がある。ネット上の共有には色々な方法があるが、マイクロソフトが提供するSwayというアプリを使ってみることにした。Sway自体パワーポイントの簡易版と考えてよい簡単なプレゼンツールなので、Swayに写真をアップするだけでスライドショーを作成することができる。ただしBGMを張り付けるだとか「スライド毎の上映時間を設定する」など細かい細工ができないので、スライドショー用アプリPhotoStageでスライドショーを作成し、そのスライドショーをSwayに載せることにした。
ザックとした整理をするとスライドショー画像郡をSwayというクラウドサーバーを通じて共有しているということなのだろう。
なおスライドショー自体はマイクロソフトのパワーポイントでも作成することは可能だが、出来上がったスライドショーを共有するとなるとこのような方法かあるいはユーチューブに載せるなどの工夫が必要になるだろう。
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