ボランティアで日本語を教えているKさんの中国への引っ越しが決まりそうだ。Kさんのご主人は日本人で、今広東に単身赴任している。Kさんは中国に引越するためのビザを申請していたがコロナのためなかなか認可が下りなかった。
それが年末になって急にビザが降りることになった。今日の日本語レッスンが最後から2回目になるだろう。
日本語と中国語で同じ漢字を使いながら意味がちがう言葉の話題になった。
Kさんが戸惑ったのが「荷物」という言葉だった。中国語では荷物のことを「行李」というそうだ。「行李という言葉は日本語にもあるけれど、日本の行李は柳行李というように柳や竹・籐などで編んだ箱を意味するよ」と私。
でも言葉で説明してもうまく伝わらない。現在の中国では柳行李を目にすることがないのかもしれない。こんな時はスマートフォンのGoogleに向かって「柳行李」と話かけるに限る。そうすると行李の写真がでてくるので一目瞭然だ。
Kさんの日本語はほとんど問題ないレベルだけれど、同じ漢字を使いながら日中で意味が違う時に戸惑いを感じることがあるようだ。
少し前だが「示唆」という言葉が話題になったことがある。中国語で示唆というと悪事をそそのかすという意味らしい。日本でいうところの教唆である。
KさんにGoogleレンズを使って瞬時に日本語を中国語に翻訳する操作を説明すると感心するとともにちょっと間違いがあるとも言っていた。
Kさんからはひらがなで書かれた言葉について「漢字では何と書く?」と聞かれることがある。たとえば「はしょる」だ。たまたまはしょるは「端折る」で言葉の言われも知っていたので説明することができた。最後に「でもこの言葉は漢字じゃなくてひらがなで書く方が良いと思う」と説明を加えて。
漢字を思いつかない時や記憶があやふやな時は即Googleに当たっている。
Kさんが「頼りない先生だ」と思ったか「日本語は難しい」と思ったかは分からない。
スマートフォンの色々なアプリを使って日本語を勉強することができるということ~つまりメタ学習法~の参考になれば良いと思っているのだが・・・
ところで日本の行李は中国語で何ていうのだろう。Kさんに聞くのを忘れたのでGoogleで調べると柳条包と出ていた。旅行用的堤包とあったので柳であんだ鞄という想像は着くが今でも柳でできた旅行鞄が中国で使われることがあるのかどうかわからないので簡単に通じるかどうかは分からない。言葉は難しい。