金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

米国株、3日連続の下落の後の反発。今年はこの辺りで幕が降りるか?

2021年12月22日 | 投資
 昨日(12月21日)米国株はS&P500が1.8%上昇するなど大幅な反発で先週から続いていた下落に歯止めをかけた。
 バイデン大統領が家庭用オミクロン検査キット5億個を準備すると発表したことなどでコロナウイルス感染拡大懸念が少し後退した。
 またクリスマスシーズンを前に利益確定の売りが続いていたようだが、一巡したことも相場にプラス材料となった。
 一方不確実要因は多い。大型歳出法案には民主党のマンチン議員が反対しているが、バイデン大統領は合意の余地はあるという見方を示している。
 多くの波乱含みの中で2021年は終わろうとしている。
 コロナリスクやそれに起因するサプライチェーンの乱れ、先進国のインフレ圧力などは引き続き株式相場の懸念材料だ。
 だが直感的にいうとアメリカはこの難しい局面を乗り切り、危機をチャンスに変えるしたたかさを発揮していると思う。なぜアメリカはそれが可能なのか?というとシュンペーターがいう「創造的破壊」ができるからだろう。
 コロナリスクの中でアメリカは大胆にリモートワークを推進し働き方を革新しつつある。その過程で離職した人が仕事に戻らず求人難を起こすという問題は起きているがやがて人員の適正配置に戻っていくだろう。
 これらのプロセスをシュンペーターが言った「創造的破壊」の文脈で理解しておきたい。
 世界経済を牽引するもう一方のパワー中国は、不動産大手の恒大集団 やKaisaの破綻が示すように不動産開発主導の経済成長が完全に曲がり角に来た。ITや半導体産業ではアメリカの締め付けが強く経済成長の鈍化は避けられない。中国経済の停滞は日本にもマイナスの影響を及ぼし、総じて来年も株価は重たいと私は考えている。
 来年の株式相場は今年よりも波乱含みであまり期待しない方が良いと考えているがその中ではアメリカ株の強さが目立つだろうと私は考えている。
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