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山好き金融マン(OB)のブログ
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「ナイフ決闘」を制するのはロシアかウクライナか?

2022年04月18日 | ニュース
 ウクライナ東部ドンバス地方で大規模な戦闘が迫っている。首都キーフを撤退したロシア軍がドンバスに兵力を集め、マウイポリの陥落と大規模な会戦でのウクライナ軍の制圧を目論んでいるからだ。
 予想される戦闘について米国国防省の高官は「これはknife fightになるだろう」と述べている。
 Knife fightはナイフを使った決闘という意味だが、相手を倒すまでの死闘という意味を持っている。つまり砲弾のある限り砲撃を続け、戦車がドンバスの荒野を疾駆し、相手をせん滅するまで続く戦いだ。
 この戦闘の帰趨についてロシア側の優位性を予想する意見が多いようだ。
 つまり戦車と重火器の量そして兵力数でロシア軍がウクライナ軍を上回っているからだ。もし個々の戦闘で同数の死傷者が出るとすれば、兵力数の少ないウクライナの方が先に白旗をあげることになるからだ。
 だがロシア軍が戦車部隊を効率的に運用できるかどうか?という点について私は多少懐疑的に見ている。というのはロシアは冬の間ウクライナ東部の湿地が凍結している間に戦車を使って進攻するという目的でこの戦争を起こしたが、春になって氷の解けた荒野で戦車を駆使するのは難しいのではないだろうか?
 またウクライナ軍は川の橋梁に爆薬を仕掛け戦車通過時に橋梁爆破を目論んでいる。もし橋梁が爆破され動きが止まった戦車部隊を無人ドローンで攻撃されると一帯は戦車の墓場となるはずだ。
 判官びいきでウクライナに有利な見方を述べているので、読者の方には割り引いて読んで頂きたいが、一般に言われるほどドンバスの会戦はロシア軍有利ではないかもしれない。
 長期戦になると武器・弾薬・燃料・食料の供給~つまりロジスティクスが重要な課題になるが、動員兵力が大きいほどロジスティクスの負担は大きい。
 必ずしも動員兵力が大きい方が勝つというものではなく、ハイテク機器を活用して、的確に相手の位置を把握し、効率的な攻撃を行う方が勝つという観点からもこの戦闘の結末を予想する必要がある。
 もっとも専門的な知識と情報が不足しているので手に余る仕事だが・・・
 米国国防省の「ナイフ決闘」という見方は簡単に決着がつかない殺し合いという意味ではないだろうか?
コメント
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