WSJによるとオランダの下院は、勤労者がリモートワークする権利を認める法改正を決議し、法案を上院に送った。
現行法では「会社は勤労者がリモートワークを希望した場合、拒否しようと思えば、理由を伝えることなく、却下することができる」が、改正後は「会社は従業員のリモートワーク要請を考慮し、拒否する場合は理由を明示する」ことが求められる。
欧米諸国はコロナ後のリモートワークの取り扱いに苦慮しているが、この法改正はリモートワーク権を認める点で画期的だ。
もともとオランダではコロナ前からリモートワークが盛んだった。EUの統計機関European Unionによると2018年にオランダでは18%の従業員がリモートワークを行っていた。
今回の法案作成者は「法改正により、従業員はワーク・ライフバランスの最適化と通勤時間の削減を行うことができる」上に企業側にとっても生産性の向上と従業員の満足感の向上に繋がるのでメリットが大きいと述べている。
最近金融・ビジネス・公務員に対して行った調査によると、70%の勤務員が出社・在宅勤務を組み合わせたハイブリッド型の勤務を希望し、フルタイムで出社を希望する人は10%に留まった。一方在宅勤務オンリーを希望した人は20%に留まっている。
なおオランダのように明確に「リモートワーク権」を立法化する国はないが、リモートワーク権を擁護する動きは高まっている。
たとえばスペインでは、勤務形態による昇進時の差別を禁じる法的措置を講じているということだ。