昨日(7月15日)の米国株は、予想よりも強い6月の小売売上高と予想を上回る銀行の収益を好感して反発した。S&P500は1.9%、ダウは2,1%、ナスダックは1.8%各々前日比上昇した。
6月の小売売上高は前月比1.0%増えた。また5月の小売売上高は小幅引き上げ修正された。
銀行決算では特にCitiの一株当たり利益が予想を大きく上回り、同社株は13%以上上昇した。また同日四半期決算を発表したステートストリートなどの銀行株も上昇している。
予想よりも強い小売売上高から、米国の消費者が強いインフレ抵抗力を持っているという判断ができしうだ。ただし小売売上高は他の政府統計と異なり、インフレ調整を行っていないため、販売量そのものはほとんど伸びず、物価上昇により消費者が値上げ分を負担したという見方もできる。堅調な小売売上高により一旦リセッションリスクは少し後退したと判断できるかどうかがこれからの相場のポイントになるだろう。
一方WSJはコモンウエルス・ファイナンシャル・ネットワークのチーフ・インベストメント・オフィサーの「PERから見て株価の底値は近いだろう」という見解を紹介していた。
それによると現在のS&P500は12カ月予想利益の約16倍で取引されている。昨年末は約21.5倍だったからかなり水準訂正が進んだという見方だ。
株価の底値が近いかどうかは見極めが難しいだろうが、そろそろ視野にいれても良い時期なのかもしれない。