先週中国全土で起きたゼロコロナ政策に対する抗議デモの後、規制が一部緩和されました。
このことはニュースで流れているのですが、偶々私のところには広州にいる中国人女性からのLINEでも入ってきました。この女性には今年の夏ごろまで日本語レッスンを行っていたのですが、ご主人に帯同して広州に渡ったのです。
「ゼロコロナ政策に対する中国人の生の声を聴きたい」とは前から思っていたのですが、こちらからそのような質問をして、万一政府批判のメッセージが検閲されると迷惑がかかる可能性があるから控えていました。
ただし今回は先方からの簡単な近況報告で政府批判めいたコメントはありませんから問題はないでしょう。LINEによると「あっちこっちデモ多くて、緩和されて、やっと毎日PCRじゃなく過ごしています」とありました。
WSJの記事を見ると「広東省では一定の要件を満たした陽性者の近親者は集中隔離センターではなく自宅での隔離を認める」など緩和の具体例が報じられていますので、各地方自治体が一部規制緩和に動いていることは間違いありません。
規制緩和とともに抗議デモ行動は鎮静化してきたようです。これについて米国のシャーマン国務副長官は「抗議デモ活動が沈静化したのは、デモの効果で規制緩和が行われたからだ」という見解を示しました。
一方ブリンケン国務長官は「抗議活動が沈静化したのは、共産党が規制を緩和したからか?あるいは警察の行動によるものか?についてコメントするのは難しい」と質問をかわしました。
今後中国当局はこの問題をどのように整理し発表するのか注目しておきたいですね。
私は「大衆の抗議デモが共産党の政策を一部なりとも方向転換させた」ということは、対外強硬路線を推進する共産党に対する潜在的な抑止力があることを示したという点で評価したいと考えているのですが如何なものでしょうか?