遅ればせながらThis time is differentという本を読んでいる。「国家は破綻する」という名前で邦訳が出版されているが4,200円と高いので、アマゾンで原書を探したところ、2,500円程で手に入ることが分かったので原書で読むことにした次第だ。発注して直ぐ届いたところを見ると、原書で読む人も多いということだろうか?
400ページを越える大著なのでまだ読みかけなのだが、国家が外国からの借入をデフォルトした歴史を見ると中々面白い。最初にデフォルトを起こした国はイギリスで、対仏戦争の戦費をイタリアの銀行から借りていたエドワードⅢ世は戦争に負けて、1340年に最初のデフォルトを起こした。その後もイギリスは何回かデフォルトを起こしたが、名誉革命後はデフォルトを起こしていない。デフォルトを卒業したのである。
今デフォルトの可能性が高まっているギリシアは1829年の独立後、5回デフォルトを起こしている。最後のデフォルトは1932年に起きた。スペインは1882年までに8回デフォルトを起こしている。
外国からの債務をデフォルトするということは、それに先立ち外国から借金することができた(しかも多額に)という事実の裏返しでもある。最初にデフォルトを起こした英国は当時羊毛の大生産国で、イタリアの銀行はそれを拠りどころに融資していた訳だ。
ところでThis time is differentの付表を見ていくと、日本も1942年に一度外債をデフォルトしたことになっている。今までの知識では、日本は政権が交替しても(江戸幕府から明治政府へ)、前政権の債務を営々と弁済し、外債のデフォルトをしたことはない・・・というものだけに残念な話である。そのデフォルトの内容について説明は読んでいない(あるのかどうか不明)だが、恐らく第二次大戦に入って敵国への元利払いをストップしたことがデフォルトに該当しているのではないだろうか?
このこの情報源はスタンダード・プアーズだが、時間がある時に調べてみたいと思っている。
それにしても欧州はデフォルトの歴史だと改めて思った次第。
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