過去1年以上にわたって、株が下がれば何も考えず買え、と言ってきたジム・クレイマーは9月に入ってスタンスを変え、キャッシュポジションを高めるように言ってきた。
そのクレイマーが昨日の米国株の大幅下落(ダウとS&P500は1.7%、ナスダックは2%の下落)の後、「まだ押し目買いをする理由が見つからない」と述べていた。つまりまだ不確実性が高く、株価はまだ下がる可能性が高いというのが彼の予想だ。
昨日の米国株下落の要因は、中国の不動産デベロッパー恒大グループの破綻懸念から欧州株等が大幅に下げたことが大きい。
また米国の債務上限問題も不安を高めている。
恒大については、同グループが破綻しても中国の金融システムに破綻が及ばないように中国政府が対応するだろうという見方が強く、世界の金融システムが動揺することはないとと考える投資家が多いようだ。
ただし中国政府がどのような対応を取るのか不明なため、市場には不安感が漂っている。
9月は株価が下がるというアノマリーがあることも、自己予言的だ。
株価が下がるのではないか?という心理が働くと投資家は弱気の材料を探し始める。弱気の材料を探し始めると、恒大や米国の債務上限問題に加え、コロナウイルスのデルタ株問題、世界的な半導体供給不足、アフガニスタンなどの地政学的なリスクの高まりなど不安材料は山ほどある。
これらの不安材料は9月発生したものではなく、ずっと以前からあったものだが、相場付きが良い時は株価が下がればすぐ買いが入ったので、問題が顕在化しなかったのだ。
まあ暫く様子見で行こう。
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