金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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好調な米国雇用統計、株は売られたが

2020年02月08日 | 投資

昨日(2月7日)発表された米国1月の雇用統計は、市場予想を上回る好調な数字だった。非農業部門雇用者増は225千人(予想は158千人)で、失業率は3.6%だった。失業率については前月より0.1%悪化(事前予想は前月同水準)したが、これは求職者が増えたことによるもので雇用市場の堅調さを示すものである。時間給は前年比3.1%上昇。米国の雇用市場は極めて堅調ということができるだろう。

もっとも1月は例年より天候が穏やかで、建設業やホテル・観光業で雇用が増えたことも雇用者増につながった。弱いところを探すと製造業で、自動車・自動車部品部門が足を引っ張り、雇用は12千人減少した。

ギャラップ調査によると雇用市場や株式市場が堅調で、アメリカ人の6割は1年前より良くなっていると判断し、さらに来年については7割以上の人が今年よりも良いだろうと考えている。

論語の中に孔子が弟子の子貢の「政治の要諦は何ですか」という質問に対して「食を足らしめ、兵を足らしめ、民之を信にす」と答えているところがある。私は「民之を信にす」の部分を「夢を足らしむ」とすればより今日的になると考えている。

つまり政治のポイントは「食糧が十分行きわたるようにし、軍備を整え国防の憂いをなくし、主君が人民から信頼されることだ」と孔子は行った。

色々批判のあるトランプ大統領だが、この3つの政治の要諦はちゃんと押さえている。彼がすべてのアメリカ人から信頼されているとはとても思えないが、多くのアメリカ人に希望を与えていることは事実のようだ。

堅調な雇用統計を見ると大統領選挙はトランプ有利と判断したくなる。アキレス腱があるとすれば「スイング・ステート(共和党・民主党の票が拮抗する激戦州)」のペンシルバニア州など製造業の多い州の雇用状況がぱっとしないことだ。

ところでこれだけ雇用統計の数字が良いと株は買われてよさそうだが、ダウは277ポイント(0.94%)下落した。市場は雇用統計よりもコロナウイルスの拡大を懸念したようだ。もっとも前日まで株価上昇が続いていたので速度調整だろうと私は考えている。どんな強い相場にも速度調整はあり、どんな弱い相場にもバウンスバックはあるものだ。

 

 

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