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「現実(リアル)に」人とあうことの重要性~不要不急という言葉の危険性

2021年04月18日 | うんちく・小ネタ
 コロナウイルス感染が拡大すると政治家(正確には政治屋レベルだが)は「不要不急の外出を控えましょう」と声高に叫ぶ。密になることで感染リスクが高まるから一見その主張は真っ当に聞こえる。
 不要不急でない外出というと「食料を調達する」「急病で医者に行く」ことなどが思い浮かぶ。
 マズローの欲求五段階説に従えば第一段階の生理的欲求と第二段階の安全欲求に基づく外出が必要で急ぐ外出でOKだがそれ以上のレベルの要求による外出たとえば友人との交友を深めるなど第三段階の社会的欲求に基づく外出は不要不急と見做される訳だ。
 「友人との交友を深めたければSNSで連絡をとればいいじゃん」という声が聞こえそうだが、モノゴトはそうは簡単にはいかない。
 「スマホ脳」の中に次のようなことが書かれている。
「私たちはSNSによって、自分は社交的だ、意義深い社交をしていると思いがちだ。しかしそれは現実の社交の代わりにはならない、と研究者たちはそう結論づけている」
「現実(リアル)に人と会う人ほど幸福感が増していた」
「2000人近くのアメリカ人を調査したところSNSを利用している人たちのほうが孤独を感じていることがわかった」
「スマホ脳」の著者アンデシュ・ハンセンの説明を読むと「人とあうことで自分の社会的地位を確認しそれが幸福ホルモンの一つであるセロトニンの量を増やす。一方SNSを通じて非常に多くの人と比較を続けると自分の魅力が乏しいと感じるようになる。その結果セロトニンが減り疲労感が高まる」というようにまとめることができる。
 SNSの功罪は横においてここでは現実に人とあうことは重要だと言っておこう。そして長期間リアルに人と会わない状態が続くことは身心の健康に強いマイナス作用を与える可能性があるといっておこう。
 本質的に人間は社会的生き物であり、我々の遺伝子は人と交流することで幸福感を高める仕組みを組み込んでいることが事実とすれば、適切な感染予防をした上で人に会うような行動を不要と切り捨てるのは正しいことなのだろうか?
 
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