金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

Trade down (イディオム・シリーズ)

2009年04月04日 | 英語

久し振りイディオム・シリーズを書く。ただし景気の悪い話で恐縮である。Trade downとは「高いものを(場合によっては下取りに出して)、安いものに買い換える」という意味だ。エコノミスト誌に次の文章が出てきた。

Many companies have launched lower-priced products in order to avoid losing customers as they trade down.

多くの会社は、安い商品に買い換える顧客を失うことを避けるため、低価格商品を売り出してきている。

同誌は一例としてフランスの食品会社が標準品より小さくて風味が少ないヨーグルトを発売していると報じている。

エコノミスト誌は今回の世界的な不況の影響で、倹約指向になった消費者は景気が回復しても消費態度をもとに戻さないだろうと述べている。その大きな理由は2つだ。第一に欧米の消費者は雇用や賃金下落に対する不安が遠のいても、住宅や金融資産の価値が落ちているので、貯蓄性向を高めるといっている。次に消費者は大企業に対する不信を高め、ブランドを信じなくなった。大企業が信頼を失った理由は、金融スキャンダルの嵐や自動車メーカーに対する税金の投入などが大きな理由だ。

私事ながら最近地域金融機関向けの小雑誌に「オーバースペックの終焉」という小文を書いた。発刊前なので余り細かい内容を公表するのは差し控えるが、簡単にいうとデジタル一眼レフのように次から次と「消費者が本当に必要とする機能を超える」新商品を投入して、買い替えを煽るようなビジネスモデルは終わったという主張である。奇しくも世界的な経済紙と同じ視点の小文を書いたことになる。

因みにTrade downの反対語はTrade upだ。かなり昔に「いつかはクラウン」というトヨタのコマーシャルがあった。カローラからスタートして、コロナに買い替えて・・・やがてクラウンにたどり着く。これなどTrade upの代表例だが、消費者の多様化からこのような消費モデルは消えてしまった。このビジネスモデルのようにTrade upという言葉がなくなることはないが、しばらくTrade downにメインシートを譲ることになるだろう。

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