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山好き金融マン(OB)のブログ
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ロシア兵の弱さを見たNATOはどう考えるだろうか?

2022年03月18日 | ニュース
 ロシアのウクライナ侵攻で激戦が続いている。マリウポリでは市民が避難所にいていた劇場が破壊され市民の救出が続いている。ロシア軍が攻勢をかけているように見えるが、4人の司令官を含む7千人のロシア兵が殺されたのではないかという推測もある。
 この数字は少し大げさな気がするが、NATO側の軍事専門家は、ロシア軍の死者数はウクライナ側の死者数と同じ位だろうと推定している。私も戦況や停戦交渉の状況から考えてロシア側は相当なダメージを受けていて、人的被害は拮抗しているのではないか?と推測している。
 ロシア側で司令官の戦死が多いのは、前線の兵隊の訓練が乏しく、士気も低いので司令官が前線に出て督戦しないと戦闘が進まないことにあるようだ。前線に立つので狙撃されてしまう。指揮者の損傷が激しいとロシア軍はますます混乱し、戦闘遂行能力は一層低下してしまう。弱兵は恐怖心を抱くと群れるという。その群れたところを攻撃されるとひとたまりもない。
 ロシアは軍備の近代化を進めてきたが、兵隊の武器操作の習熟度が低く、最新兵器を十分使いこなせていないという分析が軍事専門家の間に広がっている。また通信の暗号化も遅れ、アナログな手法で連絡を取り合っているため、ウクライナ側に簡単に傍受され、高級将校が狙われるような事態が起きているようだ。
 私はロシアのウクライナ侵略が始まった時点で「戦術的にロシアが勝つことはあっても戦略的にはロシアは負ける」と判断しており、その判断は揺るぎないが、敢えて言えば戦術的にもロシアは負けるかもしれないと考え始めている。
 今のロシアの経済規模はイタリア一国程度とかなり小さいものだ。今後経済封鎖が持続すれば、ロシア経済は一層ダメージを受け、今回ウクライナ侵略で破壊された戦車や車両など兵器の再調達もままならないだろう。
 それはいうまでもなく無傷のNATO側との軍事競争における劣勢化を加速する。それを考えるとプーチンがまともな判断能力を持っていれば、直ちに停戦に動きこれ以上の自軍の損傷を止めると思うのだが如何なものだろうか?
 一方ロシア兵の弱さと最新兵器の運用に対する習熟度の低さを見たNATO側の専門家はどのように考えるだろうか?この際もう少しロシアを叩いておけ、と考えるなら更にウクライナに最新兵器を供与して戦況を有利に導こうとするだろう。
 そういう意味ではすでにロシアとNATOの戦いは始まっているのである。ウクライナ人をProxyとして。気の毒なのはProxyにされている無辜のウクライナ国民である。


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