金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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「坂の上の雲」で思い出した東郷神社へ

2025年03月11日 | うんちく・小ネタ
先週日曜日に原宿に行く用事があった。日本語を教えている中国人学生から作品発表(3D作品)を見てください、と依頼があったので、久しぶりに原宿に行った。作品発表の場所は竹下通りを南下して、明治通りを越えたところなのだが、竹下通りの喧騒をさけるため東郷神社の境内を通らして貰った。
奇しくもこの日はNHKの「坂の上の雲」の最終回だったので、頭の隅に東郷平八郎のことがあったのかもしれない。
東郷平八郎という人物について詳しくはしらない。「坂の上の雲」では、ロシアのバルチック艦隊は最短コースの対馬海峡に来ると断言し、日露戦争の勝利に大きく貢献したされている。しかし史実としては第二艦隊司令官の島村速雄が、バルチック艦隊は対馬海峡に来ると強く主張し、判断に悩んでいた東郷平八郎を後押ししたという説の方が真実に近いようだ。
 島村速雄は自分の手柄を誇ることがない人だったので、のちに元帥東郷平八郎が担ぎ出され、とうとう軍神にまで祭り上げられてしまったのだ。
 しかし私は東郷平八郎自身は、軍神に祭り上げられたことに対し複雑な気持ちだったと思う。日本海海戦の勝利は、一軍司令官の判断や統率力、あるいは一参謀の智謀で得たものではない。それは英国を含む多くの人々の情報ネットワーク、最新鋭軍艦の配置、下瀬火薬の使用、地の利など多くの要素が組み合わさって勝利に結びついた。
 しかし東郷平八郎を軍神に祭り上げてしまったことで、戦闘の勝敗を決める諸事情・諸要素に対する冷静な分析力と分析結果を尊重する謙虚さを失い、無謀な太平洋戦争に突入したということができるだろう。
 そのこと自体は東郷平八郎の責任ではないだろうが・・・・
 東郷神社は人で溢れかえる原宿の中で驚くほどの静かさを保っていた。

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