9月15日(土曜日)一人で高妻山(2,353m)を登ってきた。前日マイカーで麓の戸隠キャンプ場に入りテントを張った(駐車料金込で2千円。「5時でキャンプ場の管理事務所は閉まります」と言っていたからその後ならタダ?)
余談ながら私はこの戸隠キャンプ場が好きだ。できることなら一夏に何回も来て、山など登らずに木陰でゴロゴロしていたいと思う時がある。
さてなぜ一人で高妻山なのか?というと、高妻山には今年5月の終わりに会社の山の会の連中とトライしたが、残雪上の滑落リスクから9合目付近から引き返したので完登したいという思いが続いていた。また高妻山は2千メートル級の山ではトップクラスにハードな山だ、というのも登行意欲を誘った理由だ。夏山シーズンの終わりに好天候が続きそうなので、バタバタと出かけることにした。前回メンバーに声をかけるべきだったが、平日の急な休みは無理だろうと思い一人ででかけた次第だ。
高妻山の登山ルートは、東山麓の戸隠牧場から大洞川沿いに登り、一不動に至るというのが一般的で前回もここを登った。しかし近年ダイレクトに五地蔵山に登る近道「弥勒新道」ができたので、今回はここから往復することにした。添付地図は今回の登りルートをGPSでプロットしたものだ。必要に応じて参考にしてください。
「takatumayamatrack.pdf」をダウンロード
9月15日晴 5時42分 戸隠牧場入口より登山開始。写真左端の山が五地蔵山(1,998m)。中央の一番低いところが一不動である。
牧場から一不動に向かう登山道を歩いて行くとやがて舗装道路は終わり地道になる。地道になって数分歩くと弥勒新道の分岐に出会う。分岐といっても「右弥勒新道」と書いてある訳ではない。ここで直角に右に曲がり、牧場の中を歩いて行く。
数分歩くと小さな沢の渡渉点がある。
沢を渡ると五地蔵山までブナの疎林の中の登りが続く。前回5月に来た時は下山時にこのルートを下った。その時は笹が道を覆っていたが、その後きれいに刈り払われていた。
歩き始めて40分程経った時、10mほど先の茂みでゴソゴソと音がしたと思うと、灰色の大きな動物が坂を駆け登っていった。カモシカだろうか?
カモシカがいるということは熊もいるかもしれない(科学的根拠はないが)と思い、暫く呼び笛を吹きながら歩いた。
このルートは標高1,500m付近でトラバース気味の下りが一つある以外は総て登りの連続だ。苦しいけれど尾根に出るのは早い。8時4分稜線到着(六弥勒)2時間半の登りだった。ここから高妻山に向けて小さな隆起を幾つか越えていく。隆起には写真のような祠がある。
因みに「一不動」「二釈迦」「三文殊」「四普賢」「五地蔵」「六弥勒」「七薬師」「八観音」「九勢至」「十阿弥陀」である。仏様がどうしてこのような順番に並ぶのか興味があるところだ。
写真は七薬師付近から撮った妙高(右端)と火打山(左)だ。
八観音を過ぎると視界が広がり、目の前に高妻山が標高差300mでそびえている。登山ルートは頂上から右下に下っている稜線だ。
高妻山の左側に北アルプスは後立山連峰が見えた。真ん中が五龍岳、その右隣が不帰嶮、写真左は鹿島槍ヶ岳。鹿島槍ヶ岳と五龍岳の間に遠く立山が見えている(ようだ)。
九勢至を8時51分通過。ここから300mの登りだ。日本百名山の著者・深田久弥は次のように書いている。
「五地蔵から二つのコブを越えて、高妻山への長い登りは急峻で、実に辛かった。ようやく頂上に達して私達の喜びは無上であったが、もう(北隣の)乙妻まで足を伸ばす元気はなかった。
10時十阿弥陀に到着。ここが頂上か?と思いきや本当の頂上は更に少し先だった。
頂上10時2分。先着のオジサンがシャッターを押してくれ、というので写真を撮ってあげ、お返しに私のカメラのシャッターも押してもらった。今年の夏山登山は写真の「オレンジ色長袖シャツ+下着丸首速速乾シャツ」「半ズボン+CWXタイツ」で通した。長く暑い夏の間に剱岳、鹿島槍ヶ岳という名峰を幾つか登ったが、登頂のハードさという点では高妻山が一番ハードと私は感じた。
頂上はガスの中。期待していた眺望はゼロ。
10時20分下山開始。急峻な登山道には下草整理で刈られた笹の葉や軸が残っていて滑り易い。登山道にはリンドウが咲き誇り、疲れを癒してくれる。
登りに越えてきたコブの内、薬師の登り返しがきつかった。13時20分戸隠牧場到着。
牧場入口の蕎麦屋で「おろし蕎麦」を食べて14時に車を自宅に向けて出発。18時自宅到着。夏山シーズン最後のハードな登山は無事終了した。
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