破綻の瀬戸際にあったクレディ・スイスがUBSに買収されることは決まった。このディールによりクレディ・スイスの株主は同銀行株22.48株につきUBS株式を1株得ることができる。
しかしAT1債Additional tier-one bondsについてスイスの規制当局は日曜日に無価値となると発表した。
AT1債は偶発転換社債CoCosと呼ばれ、普通社債などの債券よりも弁済順位は劣後する。しかし債券であるので株式よりは弁済順位は優先すると一般的には考えられる。
しかし今回のUBSによる事実上の救済合併により、160億スイスフラン(170億米ドル相当)のAT1債は無価値となることになった。
結果としてAT1債は株式より劣後したということだ。
AT1債については、普通社債より利回りが高い。しかし今回のスイスの規制当局の動きにより、リスクとリターンのバランスが悪いと考える投資家が出てくるだろう。
もっともスイスが加盟していない欧州連合の規制当局は「普通株式が最初に損失を吸収するものでそれが完全に使用されてからAT1債券の評価減が行われるべきだ」という声明をだしている。この声明はAT1債券投資家の懸念を若干緩和するだろう。
ただ大手銀行の破綻が改めて銀行劣後債のリスクを炙り出したことは間違いない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます