昨年暮れに年賀状を作成している時に「来年(今では今年)はエンディングノートの準備をしよう」と決めた。そして色々考えているうちに、大まか構想がまとまってきた。
その柱は次のとおりだ。
1)「良い生き方」の後に良いエンディングがある。納得のいく生き方をしないで良いエンディングはない。だからスタート点は「良い生き方」とは何か?を考え、それを実践することだ。
2)既に自分が作っている、あるいは使っているデジタル資産を最大限に活用しよう。エンディングノートのためにわざわざ転記するするような無駄はしない。
3)自分に意思能力がなくなったり、いなくなった後、残された家族の負担をできるだけ軽くすることを考えよう。
そしてその構想を簡単にまとめると次のような絵になった。
スタート点は左下の「自分が目指す良い生き方」だ。金融機関などが出しているエンディングノートを見ると「心の資産」などとして、「思い出やエピソード」を書いておくページがある。だがいなくなってから家族がそれを見て「あの人こんなことを考えていたのだ」と思ってもそれほど意味はないだろう。それよりは、今までの社会的生活で何に価値を置き、そのためにどんな行動をしてきたか?を今のうちに書いておく方が良いと私は思う。そこで「心」の部分は、電子本やブログに書き綴ることにした。
この電子本・ブログに加え、大手ベンダーが提供するクラウドコンピュータを活用している部分を「広義のクラウドファイル」と名付けることにした。私の場合主なものとして、ここにGoogleカレンダーとソニー銀行が提供している「人生通帳」が入る。
「人生通帳」とは簡単にいうと、複数の金融機関(銀行や証券会社)の資産残高やクレジットカードの請求額などをインターネットを通じて自動的に収集し、一覧表示する機能で、aggregation servicesと呼ばれるものの一つだ。
市販のエンディングノートを見ると、肉筆で現預金残高や有価証券明細を記載することになっているが、これは二つの点でナンセンスだ。まず残高や投資明細は刻々と変化する。年に一回程度更新するにしても、手間がかかる。次にある時点の資産断面を紙に書き抜いたところで、「残高を示す」という以外に活用方法がないということだ。ところがaggregation servicesを使うと、一覧リストの中から必要な項目を開くことで「明細」(クレジットカードの支払明細など)を見る、という具合に日常生活の中で色々活用することができる。
資産残高やポートフォリオをリスクを把握しておくことは、それ自体に目的がある訳ではないと私は考えている。もっと大事なことは「将来のキャッシュフロー」つまり収入と支出予想を現在価値で把握して、それと手元の金融資産を比較し、プラスになるようにライフプランを見直すことだと私は思う。なお現在価値で把握する場合、利子率を使って現在価値に割り引くのが、正しいやり方だが、当面金利やインフレ率が低いので、単純な足し算でも良いだろうと思う。
「交友関係」は年賀状送付リスト(エクセル作成)をベースに「関係」や「親密度」などの情報を加えていく。また「預金口座と公共料金の引き落とし」「クレジットカードの各種料金の引き落とし」などもエクセルで管理するのが簡単だ。
これらのファイルは、PCのハードディスクに保存するのではなく、クラウド上のサーバに保存する。そうしておくと、PCがクラッシュしても影響を受けないし、万一の場合家族や頼りにする人が他のPCやディバスからアクセスすることができるからだ。
私はこれらのファイルを「ライフプラン」と名前をつけたフォルダーの中に格納し、マイクロソフトのOneDriveというクラウドサーバで管理している。もちろんGoogle Driveを使っても良いだろう。大事なことは「永続的なサービス提供が期待できること」「多くの人が使っていて簡単にアクセスできること」だ。
以上が私のLife Plannning Holderの基本構想だ。Holderの名付けたのは、そのHolderの中に、複数のアプリケーションやFileが入っているからだ。これらのアプリケーションはクラウド上で維持・管理されるが、自分が決めた節目(たとえば年初とか誕生日)にプリントアウトして、クリアブック(複数のクリアファイルをまとめたもの)に入れておけばそれが「紙ベース」のライフプランニング・ホルダーになり、そして世間でいうところのエンディングノートになる訳だ。
なおもう少し具体的な記述が進んだところで、電子本のような形でまとめてみたいと考えている。ただしそれぞれの人やその家族のデジタル環境や情報漏えいに関するリスク感は異なるだろうから、どれほどこのコンセプトが受け入れられるかは全く分らないが。
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