海外メディアによると、ウクライナのゼレンスキー大統領が米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官が今日にもウクライナを訪問すると発表した。米国側はノーコメントだが。WSJもゼレンスキー大統領の話としてこのニュースを取り上げている。まず間違いのない話だろう。
ウクライナの東部から南部で攻勢を強めるロシア軍に対し、ウクライナ軍は武器弾薬不足が顕著になってきたので、米国のトップレベルの高官が何らかの具体的な支援策を打ち出すものと思われる。それがロシア軍の軍事行動にどのような影響を及ぼすかは分からないが。
幾つかの情報源によるとロシアの狙いの一つはウクライナの南のモルドバ(旧ソ連の構成国の一つ)の中のトランスニストリアというロシア語を話す住民の多い地域の併合を目指し、ウクライナ南部のオデーサへの侵攻だという。
もしこれが本当だとすると、これから予想されるドンバスでの大部隊の戦闘の結果がプーチンの野望を挫くかどうかの重要な鍵となる。ブリンケンやオースティンもその覚悟でキーフに行くのかもしれない。
ところでウクライナのシュミハリ首相は世銀のフォーラムでウクライナは毎月50億ドルの支援が最低5ケ月は必要で、破壊された国土の復興に6,000億ドルは必要だと支援を要請した。
欧州復興銀行のトップは、第二次世界大戦後のマーシャルプランのような復興プログラムが必要だろうとコメントしている。
基本的な疑問だが、プーチンはかなりの勉強家だという話だが、クラウゼヴィッツの戦争論は読んでいるのだろうか?
クラウゼヴィッツの戦争論の神髄は「戦争という暴力をふるうのは政治的な目的を達成する」ことであり、「政治的目的の価値以上に被害が甚大になる殲滅戦争を避ける」ことにある。ただし現実の戦争では無意味な殺戮が行われるのだが・・・
仮にロシアがウクライナを占領しても、ロシアの経済力では絶対にウクライナを復興することはできない。ということはプーチンの戦争目的は初期の段階で既に破綻していたと私は考えているのだが如何なものだろうか?