*韓国最大の緑茶の産地、全羅南道ポソン(宝城):中央日報
■ 연둣빛 용틀임 … 차밭 나들이 지금이 제철
緑の竜が並んだような風景...お茶畑見物は今が絶好のシーズン
(中央日報 5月19日)
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韓国の新聞(インターネット版)を読んでいて、日本人には
馴染み深い茶畑の風景が目にとまった。ざっと記事に目を通して
いると、日本との関わりについて述べた部分にぶつかった。
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・보성다원은
ポソン(宝城)茶園とは
보성의 차나무는 일제 시대인 1938년 일본인이 종자를
처음 뿌리면서 경작되기 시작했다고 알려져 있다. 하지만
보성다원의 장기창 원장은 "일본인이 차밭을 조성하기
위해 울타리만 쳤을 뿐 실제 종자를 뿌린 것은 한국인들"
이라고 강변한다. 누구 말이 맞든 보성의 맑고 고온다습한
날씨와 토양은 차의 향기와 맛의 기품에 있어 일본인들이
부러워할 정도가 됐다.
ポソンのお茶の木は日本統治時代の1938年に日本人が
種子を最初に撒き耕作し始めたのが起源だと言われている。
しかし、ポソン茶園のチャン・ギチャン園長は「日本人はお茶畑を
造成するために垣根を張りめぐらせただけで、実際に種子を
まいたのは韓国人だ」と主張する。どの説が本当なのかは別と
して、ポソンの高温多湿で晴天の日の多い気候と土壌が
生み出す緑茶の香りと味の気品ある深みは、日本人たちが
うらやむ程にまでなった。
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韓国の緑茶をうらやんでいる日本人が実際どれくらいいるのかは
別として、「ヲタク」なりに関心をひかれたところもあり、
インターネットを利用して日本と韓国のお茶について、いろいろと
勉強をしてしまった。
インターネットとは本当に便利な道具だ。全くの素人であっても
ウェブ上に公開された専門家の「研究報告」などを当たり前のように
読むことができるのだから。
以下、「ヲタク」の仕入れた雑学を大雑把に整理してみる。
中国西南部に起源を持つと考えられているお茶の木は、悠久の
時間の中で雑多な品種へと枝分かれしてきた。しかし、日本列島に
渡来した後、定着に成功し列島各地に伝播したお茶(日本茶、
緑茶)は、栽培茶はもちろん、いわゆる山茶も含め、雑多なお茶の
品種の中の一つの品種に過ぎないそうだ。つまり、日本には
単一のタイプのお茶(緑茶)しか根付かなかったということだ。
そのことは、全国的に均一な特徴を持つ遺伝子の形態などからも、
科学的に証明されているという。
また、遺伝子の形態から、日本のお茶の起源は韓国の在来種では
なく中国の在来種である可能性が高いそうだ。
さて、韓国には中国の在来種に近いかなり多様な品種のお茶の
木が古い寺院の周辺を中心に「野生茶樹」として残っていると
言う。
しかし、ポソン(宝城)などの茶園で栽培され出荷されている
お茶の木の遺伝子は韓国の在来種ではなく、日本のお茶と
同一だとのこと。
つまり、韓国の緑茶は韓国で栽培されている日本茶だと言っても
過言ではないようだ。
以下、上記で紹介した研究報告から関連部分を引用してみる。
「一方,宝城郡会川面の茶園由来の12個体すべての
PAL複対立遺伝子はすべて日本型を示した.これらの
チャは形態学的観察から,柱頭の高さは日本在来種に多
くみられる型であり,葉形は寺院のチャのような細
長くはなく,丸みを帯びる特徴があった.成葉の長さ,
成葉の幅,成葉の先端長,新葉の毛茸の分布,新葉の毛
茸の長さと密度,花径,雌ずいの抽出度,雌ずいの分岐
点の深さ,雌ずいのくびれの有無の形質についてクラ
スター分析を用いた結果,宝城郡会川面茶園の集団は,
6箇所の寺院のチャとは明らかに異なるグループで分類
された. DNA多型だけでなく,形態学的な特徴から寺
院のチャとは明らかに異なった(池田ら,2002).
韓国のチャの起源に関しては, 1世紀にインドから導
入された記録と9世紀に中国から導入され,智異山に播
種した記録が残されている(Choi,2000).智異山に播
種されたチャが,韓国における茶樹栽培の起源と考えら
れている一方で,固有種と渡来種説の両面から研究され
ている(木村,1993).チャは仏教との繋がりが強く,「野
生茶樹」として確認されている茶樹の地域は寺院の周辺
に多く分布していることが特徴である(木村,1996).
近代になり,1910年から1945年にかけて日本からの移
民が韓国の光州,井邑,宝城で茶園を開拓し(金,2000),
また大量のチャの種子が熊本,京都,愛媛から韓国に導
入された(木村,1996).以上の歴史的な事実は,韓国
には古い時代に中国よりチャが導入され,寺院で保存さ
れたチャと近代になって日本から導入されたチャの大き
く二つの異なる集団が存在することを物語っている.」
これまで「ヲタク」が飲んだ韓国の緑茶の味が日本のお茶と
ほとんど区別がつかなかった理由。さらに言えば、今まで八女茶も
宇治茶も、静岡のお茶もほとんど味や風味に違いが感じられ
なかったこと。
「ヲタク」は、そうしたことの理由を見つけた気がした。