新宿ピカデリー2にて鈴木清順監督『オペレッタ狸御殿』。
平日の昼間ということを差し引いてもお客さんは少ない。しかも、年齢層が高い。いまどき狸御殿映画を観たいという若い人はいないんでしょうかね。
でも、美しかったですよ、チャン・ツィイーの狸姫。尻尾やヒゲが生えてると、もっと可愛かったと思いました。
映画は――フニャフニャ。楽しんで笑ってた部分もありますが、苦笑してしまったのが大部分。狸と人間の純愛にのめりこめない自分が情けない。
もともと鈴木監督は画面中心の人ですからね。美術の木村威夫さんあってのものではありますが……。
筋の弱さを補うしっかりしたシナリオが付いていた日活のプログラムピクチャー時代を超えることは難しい。プロットに重きを置かなくていい音楽映画ならなんとかいけるのではないかと思ったのですが、画面が全然音楽的でない。フィックス中心の重い絵ではオペレッタにならないじゃないですか。カメラも編集も、もっと躍動感がなくては。
楽しみは、先にいったチャン・ツィイーの美しさ。特に体の動きがいいのだから、晴れ着を少なくしてアクションを増やして欲しかった。
薬師丸ひろ子の怪演は特筆もの。平幹二朗はさすが。一人、別の世界に入り込んでいました。