『瀬名秀明ロボット学論集』(勁草書房)を読みながら、あれこれロボットについて考えました。
その中の1つに「ロボット工学の3原則」を言い換えてみたらどうだろう? というのがありました。
現在の「ロボット工学の3原則」(小尾芙佐訳)――
- 第1条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
- 第2条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第1条に反する場合は、この限りではない。
- 第3条 ロボットは、前掲第1条および第2条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
これを、内容を似たものにすることを念頭に置いて、次のように言い換えてみます――
- 第1条 ロボットは優しくなくてはならない。
- 第2条 ロボットは従順でなくてはならない。
- 第3条 ロボットは強くなくてはならない。
具体的指示ではなくて、抽象的な言葉に変えてあります。こうすることによって、より普遍的なロホットのモラルとなります。そのかわり、人間の道具であることが忘れられる可能性はあります。でも、ロボットの自立度は高まるでしょう。
さらに言い換えれば、次の一文になるのではないでしょうか。
- ロボツトは良きロボットたらねばならない。
抽象度はさらに高まり、モラルをロボット自らが追究することになりそうです。
人間のモラルもこんなふうにして拡大し、難しいものになってきたのではないかと思ったんですよね~。