惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

テオ・ヤンセン展

2009-01-24 21:27:35 | アート・文化
 地下鉄日比谷駅のすぐそばにある日比谷パティオまで出かけて「テオ・ヤンセン展―新しい命の形―」を見てきました。
 オランダ生まれのヤンセンさんの生みだすストランドビースト(オランダ語で「砂浜の生物」)の不思議な魅力はネットの動画で見たことがありました。風で動く、骨と羽根の怪物。その実物に会えるというので、一も二もなく出かけたのであります。

 ビーストたちの細胞(素材)は電気工事用のプラスチックチューブ。そばで見ると、とてもチープ。でも、軽くて丈夫で細工しやすいのはよくわかります。羽根として張り付けたピニールシートも、立派なものとは、お世辞にもいえません。
 しかし、出来上がったものはこれまで見たことがなかったような魅力を放っている。ヤンセンさんの想像力と手わざの素晴らしさをつくづく感じました。

 会場には10体ほどのビーストたちが展示されており、観客が風のかわりに力を加えて動かすことができるものもあります。
 もちろん、私も動かしてみました。たくさんある足の動きが実に不思議。次々と前方に繰り出され、体全体を運ぶ――その動きが滑らかで、美しく、でも、どこか違和感があるのです。節足動物の動きを見ているような感じ、かな。

 砂浜にこのような動物たちが何頭も動き回っていたら……と思うと、地球がべつの星のように思えてきます。

 今日の展示の目玉は、今日まで日本滞在中というヤンセンさん自身によるデモンストレーションと解説。入口間近に置かれた、アニマリス・モデュラリウスという巨大なビーストを、ペットボトルに詰めた圧搾空気で動かして見せてくれました。
 背骨にとりつけた何本ものペットボトルからチューブで送り込まれる空気が、筋肉代わりのポンプを伸び縮みさせ、足が動き、全身が移動するのです。その瞬間、会場は「オオッ!」というどよめきに包まれました。
 解説でヤンセンさんが「ジス・アニマル……」と英語でいうと、通訳の女性は「この子は……」と訳します。それがなんだか可笑しかった。

 「テオ・ヤンセン展」は4月12日まで。入場料1500円ですが、リンクしてある公式ホームページのクーポン券をブリントして持参すると100円引きになります。