昨夜(3月1日)は、午後6時から日比谷の東京會舘にて「徳間文芸賞贈賞式」。
宮内さんは「創元SF短編賞は山田正紀賞、直木賞は候補どまりで、今回、初めての正賞受賞となりました。しかも、初めての本です。これからどうしよう?」と戸惑ってみせた後、「書きたいことはたくさんあります。選者の方の判断を信じて、1作でも多く書くようがんばります。よろしくお願いします」。
特別賞の円城塔さんは、伊藤さんとの関係について述べ、「〈SFが読みたい!〉の投票でも1位伊藤計劃、2位円城塔ということがあり、SF大賞では伊藤さんが『ハーモニー』で正賞、伊藤さんの残した原稿を私が展開させた今回の作品は特別賞と、やっぱり伊藤さんには追いついていない気がします」と、亡き盟友を讃えました。
第15回大藪春彦賞は柚月裕子検事の本懐』(宝島社)。
岩手出身の柚月さんは一昨年の東日本大震災でご両親を亡くされ、パソコン向かうことができない日が続いた時、「このミス」大賞を受賞した際にお父上が言われた言葉――「どんなに辛くても、頑張って書き続けなさい。それがご恩返しだ」を思い出し、この作品を書かれたとか。
受賞の言葉で柚月さんは、「今朝、夢で父を見ました。東京會舘に私が呼んだのでしょうか。それとも、父が来たかったのか」と語り、今回の受賞を励みに「これからも精一杯がんばります」と、決意を新たにしておられました。
第33回日本SF大賞は次のとおり――
- 大賞 : 月村了衛『機龍警察 自爆条項』(早川書房)
- 大賞 : 宮内悠介『盤上の夜』(東京創元社)
- 特別賞 : 伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』(河出書房新社)
宮内さんは「創元SF短編賞は山田正紀賞、直木賞は候補どまりで、今回、初めての正賞受賞となりました。しかも、初めての本です。これからどうしよう?」と戸惑ってみせた後、「書きたいことはたくさんあります。選者の方の判断を信じて、1作でも多く書くようがんばります。よろしくお願いします」。
特別賞の円城塔さんは、伊藤さんとの関係について述べ、「〈SFが読みたい!〉の投票でも1位伊藤計劃、2位円城塔ということがあり、SF大賞では伊藤さんが『ハーモニー』で正賞、伊藤さんの残した原稿を私が展開させた今回の作品は特別賞と、やっぱり伊藤さんには追いついていない気がします」と、亡き盟友を讃えました。
なお、SF大賞の選考経過について報告なさった宮部みゆきさんは、「SFは、今、おもしろい。今回は特に小説がすばらしかった」と説きおこし、受賞作それぞれの魅力や意義について切々と述べて聴く者の心を打ちました。素晴らしいスピーチ。
写真は花束を受けられた受賞の方々。
右から、柚月さん、月村さん、宮内さん、伊藤さんご両親、円城さん。
なお、日本SF大賞は今回かぎりで徳間書店の後援を失うことになりました。詳しくは、また明日。
「ベストSF2012」最終結果。17人の方の投票をいただきました。
皆さん、どうもありがとうございました。来年もやりますので、よろしくお願いします。