昨日の日記でSF作家クラブの会長を東野司さんと書いていますが、実は、東野さんはこの日(3月1日)、会長に就任したばかり。贈賞式の直前に開かれたクラブの総会で、瀬名秀明さんからバトンを受け取ったところだったのです。
本来なら瀬名さんの任期は今年9月まで。それを本人の強い希望で会長職を譲られ、SF作家クラブそのものからも退会なさってしまった(瀬名さんのサイトの「お知らせ」)。
なぜそんなことになったのか?
実のところ、一会員である私にはよくわからないのです。
SF作家クラブに対する複雑な思いは、瀬名さんのサイトに掲載されている「私と日本SF作家クラブ」からうかがうことができますが、具体的にはどういうことなのか、わからない。ご本人の口から明かされる日を待つしかないのかもしれません。
2011年秋から1年半の間に瀬名会長が成し遂げた業績には目覚しいものがあります。SF作家クラブ50周年記念サイトに示されている事業のほとんどは瀬名さんが発案し、陣頭指揮して、スタッフとともに実現してきたものだと、私は把握しています。
思い起こせば、2010年夏に東京で行われたSF大会で、瀬名さんは「今こそ、日本で2回目の国際SFシンポジウムが必要!」と力説しておられました(当時の私のブログを参照してください)。
その1年後にSF作家クラブの会長に就任、国際SFシンポジウム(未定ですが)を含む50周年記念事業の展開に邁進されてきました。
それがここへ来て任期なかばでの退任。SF作家クラブからも去ってしまわれた。
前述のように、周辺スタッフは瀬名さんとともに力を合わせてきたはず。それでも支えきれなかったのは、私のような一般会員の力が足りなかったのでしょうか。部外者的立場なので事情がわからないとはいえ、残念であり、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
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