上野の国立西洋美術館にて「アルチンボルド展」を観賞。
「寄せ絵」というらしいのですが、さまざまな物をコラージュして人物の肖像画に仕立ててある。
日本にも国芳という絵師がいましたが、アルチンボルドは格別。唯一無比といっていいのではないでしょうか。
ルネサンス期16世紀に、こんなとんでもないことをやってのけていたとは、恐れ入るしかありません。後の時代の追随者の作品なども展示されていましたが、比ぶべくもない。画力、アイデア、ユーモアや風刺の精神など、どれも飛びぬけています。
じっくり、念入りに見たにもかかわらず、視線が移った瞬間、それまで見ていた部分がどうなっていたのか、もうよく覚えていないというほどに、奇抜で見事な描写がびっしり。あきれました。献上されたハプスブルク家の皇帝たちが大喜びしたのもよくわかります。
この人の、この騙し絵みたいなものから、近世の静物画が発展してきたということですが、芸術というものは、しかつめらしく、窮屈なものになってゆく歴史をもっているんでしょうか。ダ・ヴィンチとはまた違った意味での、ルネサンスの巨人ですね。
入館前の腹ごしらえは、御徒町駅近くまで歩いて、「焼きあご塩らー麺・たかはし」上野店で。
西武新宿駅前の新宿店で食べて、びっくりするほど美味しかったので、足を運んだのですが、やっぱりすごく美味しい。焼いたトビウオの出汁と、豚の脂が絶妙にミックスされ、口全体の旨味スポットを刺激しまくります。病みつき。