昨夜のNHK特集「サイボーグ技術が人間を変える」が面白かった。個々の事例のいくつかは知っていましたが、こうしてまとめて映像で見るとインパクトが強いですね。
もっとも印象的だったのは脳深部電気刺激によるパーキンソン病の治療。電極を埋め込み、電圧を徐々に上げてゆくと、体の震えがピタリと止まる。奇跡といっていいような、劇的映像でした。
この部分だけを見るとパーキンソン病の治療はこれですべて解決できたように思えますが、問題点はないのだろうか。ピックアップされた短い紹介ではそこまでわからないのが、ちょっと歯がゆい。
気の毒だったのは「機械の眼」を脳に直結させている男性。機械の劣化により、もともと100個ぐらいあった画素が今では6個しかなくなったという。しかし、装置を開発した人が亡くなり、仕組みを知る人がいないので修理や改善の方法がないらしい。なんとかしてやれないものか。
機械と結ぶことによって、人間(の脳)は身体を拡張することができる。それは、道具を使う時や、乗り物を操縦したりする時も同じで、サイボーグ技術はそれをさらに精緻に可能にするということだ。つまり、もともと人間が持っている能力をコンピュータや精密機械の助けで拡大することができるようになったということだろう。
しかし、飛躍的な性能向上と規模の拡大は新たな機能の獲得を意味することにもなる。恐ろしい側面もあるが、うまくコントロールしながら発展させてゆけば素晴らしいものになると思いました。
番組に関連した立花隆さんプロデュースのホームページ。内容の紹介や関連ページへのリンクがあり、大変参考になります。