惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

続サイボーグ

2005-11-09 21:01:15 | 日記・エッセイ・コラム

 ――と書いて、しばらく考えましたが、なかなか言葉が出てこない。NHKスペシャル「サイボーグ技術が人間を変える」についていくつかコメントを頂いたので何か反応したいのですが……。
 ということは、自分にとってあの番組はとりわけショッキングではなかったんですね。前にも書いたとおり、サイボーグ技術は道具を使うことや機械の操縦などの延長だと捉えているからだと思います。

 ただ、まったく問題を感じないかというと、そうでもない。
 障害のある人が失われた機能を回復するためにサイボーグ技術を利用するのは、誰にも異論はないでしょう。問題はその次の段階だと思います。
 今の段階で正常な臓器をわざわざ機械に置き換える人がいるとも思えないのですが、将来、そのような事態が起こるようになった時、どうするか。機械と一体化することで、人間が人間を超えた能力を持つ「身体」を得るのは、是か非か。

 それ以前の問題、たとえば軍事に応用することの是非などは、別にサイボーグに限らず、ロボットを初めとするすべての技術にいえることで、サイボーグだから特にどうということはないと思います。

 脳とマシンを直結することは、どうしても拒絶反応を引き起こしますが、冷静に考えれば、自分の目や手や足といった臓器を使える場合は特に必要がないわけで、それらを失い、直結するしかない人にとっては福音だと思います。脳機能の解析が進み、サイボーグ技術が医療に使えるようになることを、素直に喜んでいいのではないでしょうか。