「正チャンとリス」をかたどったキャラメルの自販機で、これは先日、「樺島勝一」展で見た樺島さんの人気マンガのキャラクターを借用しているんですね。いかに「正チャン」の人気が高かったかがわかります。
この自販機を作ったのは遠藤嘉一という人で、大正13年のことだとか。自販機黎明期の製品です。
遠藤嘉一さんはアミューズメントマシン(AM)業界を作ったといっても良い方だそうで、昭和4年、宝塚新温泉にコイン式の木馬を納入。昭和6年には浅草松屋デパートに「スポーツランド」を開設し、これがデパートの遊技場の始まりなのだそうです。
ネットの業界通信「ゲームマシン」2001年3月1日号に載った訃報では次のように書かれています――
- 日本のAM業界の先駆者、指導者として巨大な足跡を残した日本娯楽機㈱の遠藤嘉一氏が1月31日、老衰により東京都清瀬市の病院で死去した。102歳だった。1899年1月8日、岐阜県で出生、1922年にはじめて自動販売機を組み立て成功した後、28年に日本自動娯楽機製作所を設立しさまざまなAM機を開発製造した。31年開設の初の百貨店ロケ、浅草松屋の「スポーツランド」は歩合制でも画期的とされる。戦後も私財を投げ打ってAM機にかかる物品税撤廃を勝ち取るなど、業界の発展に尽くした。79年まで全日本遊園協会(JAA)会長を務めた。
色々なところに偉い人はいるもんです。
でも、江崎グリコに納入されたという「正チャンとリス」の自販機、リスはともかく、正チャンの方はちっとも似ていません。第一、トレードマークの帽子が違う! 正チャン帽でなくて学生帽か軍帽のようなものをかぶっているんです。いったいどうしたことか?!