最近のエコノミスト誌によればある専門会社がハリケーン カトリーナによる保険会社の保険金支払金額は400億ドルから600億ドルと見積もっている。この金額は天災では史上最高のものらしい。エコノミスト誌によれば現在までのところ保険金額が最大になった天災はハリケーン アンドリュー(1992年8月)で支払保険金額は215億ドル。5番目には日本の台風19号(1991年)が入っており保険金額は78億ドル。なおこの台風はりんごに甚大な被害を及ぼしたことから「りんご台風」とも呼ばれている。因みに昨年12月大きな話題になったインド洋の津波による保険金支払は50億ドルである。この津波は相当な人的被害をもたらしたと思うが保険金支払が少ないのは、保険の掛け方が少なかったのかもしれない。
もっともカトリーナの被害に関して保険会社が支払う保険金については、米国連邦洪水保険プログラムとどの様に負担を分担するかにより変わってくる。
カトリーナによる損害については再保険会社が大きな負担を負うことになるが、再保険会社は今後世界中のあらゆる保険料を引き上げることで損失をカバーしてくる見込みだ。
ドイツ系大手保険会社アリアンツの関係者は「米国は自然災害にかかわる世界中の支払保険金の75%を受け取っているが、保険料については半分しか負担していない」と議論を吹きかけている。実際過去の自然災害による大きな保険金支払の上位4件は米国の台風と地震関連である。カトリーナは保険業界に大きな損害と議論のタネを残していった様だ。