家内の希望で「Always 三丁目の夕日」http://www.always3.jp/index02.htmlをジョイ大泉に見に行った。この映画は人気が高いらしく、最近見た映画の中では観客の入りが多い。もっとも最近観た映画は藤沢周平作品など暗いものが多いので、客入りが少ないことは仕方がない。この映画の観客は我々以上の年配の方も多いが、子供連れの若い家族の方も結構いる。幅広い層に人気がある様だ。
さて映画の舞台は昭和33年の東京。東京タワーが完成する年で、まだ都電が走っている。昭和33年というと私は小学校2,3年生の頃。都電は知らないが、故郷の京都でも市電が走っていた。夕暮時となると、市電のパンタグラフから青い放電が光り、それが妙に寂しかったことを覚えている。
映画で初めてテレビが鈴木家に来る場面があるが、テレビというのも中々衝撃的なものだった。白黒テレビの登場以降我々はカラーテレビだとかインターネットだとか色々メディアの発展を経験したが、やはりテレビの登場が現代社会に与えた影響が一番大きいのではないだろうか?
このドラマは血の繋がらない二つの擬似親子的関係~吉岡秀隆演じる売れない作家と須田健太演じる素直な男の子、鈴木夫妻と東北から集団就職してきた若い女の子~の深まりを軸にして進んでいく。この頃の日本には他人の子供でも預かった以上は自分の子供と同様精一杯大事に育てるという良い慣習があったのだ。人は皆本音でぶつかり合い、けんかもすれば助け合いもする・・・という本音で精一杯生きる社会があったのだ。
時は流れて約50年。良くも悪くも人間関係は希薄になった。豊かな食生活が高脂血症等の生活習慣病を生む様に豊かな社会が希薄な人間関係を生み、それがストレスや悪い場合には自殺にさえ繋がっていく・・・・よって人は時には昔を偲び欠けている何かを探そうとするのかもしれない。