今日の日経新聞に「ポジティブ・オフ」を推進しようという広告が出ていた。ポジティブ・オフとは観光庁が提唱して、内閣府・厚生労働省・経済産業省が後押しする運動で「積極的に休暇を酢得して外出や旅行を楽しもう」という運動だ。http://www.mlit.go.jp/kankocho/positive-off/about.html
ポジティブ・オフpositive offというのは、和製英語である。英米人に通じる英語では何というべきなのだろうか? Vacationとでもいうのだろうか?というか英米人に取って「有給休暇は目一杯取って楽しくあるいは自分に有意義に使う」というのが、基本的な考え方なのでわざわざポジティブ・オフなどと言わなくても良いのだろう。
ポジティブ・オフの反対概念は「消極的に取る休み」つまり病欠のようなものだ。こちらにはsick leaveという英語が対応する。
日本では(何て大袈裟に書き出したけれど、私の会社もそうですが)、有給休暇の取得を申請する時「理由」を記入する欄があることが多い。大抵の人は「理由」に「私用」と書いてくる。これは日常会話の中で「どこへお出かけですか?」「ちょっとそこまで」というやり取りを行なっているのと同じで、意味のある回答にはなっていない。だがこの項目は休みを取る理由までは立ち入らないけれど「用事のための休みなら良いけど遊びのための休みは困る」という会社の意思を暗示してるようだ。
一般に風邪を引いて休むと同情される。しかし風邪を引かない丈夫な体を作るために休みを取って山に行ったりスキーに行ったりすると余り良い顔をしないのが職場の雰囲気というものだ。
だがそんな雰囲気を変えようという企業がポジティブ・オフ運動に賛同している。ホームページによると現在協賛している企業・団体の数は108だ。レジャーで潤うJR系各社やセブンイレブンなどが協賛し、銀行などお堅い企業が入っていないのは予想のとおりだ。ただ金融系では第一生命が協賛企業に入っているのが目についた。
うがった見方をすると「ポジティブオフを取る」→「被保険者が健康になる」→「保険事故が減るまたは先送りされる」→「保険金の支払が減る」から運動に協賛しているのかもしれないが。
でもハッキリしていることは、休みを積極的にとって楽しい生活を送ることが健康促進に資するし、ポジティブ・シンキングにつながるということだ。
協賛企業の社員でない人も休みを取る時は「遊びのため」と書いて堂々と休みましょう。それがまずポジティブ・オフ運動推進の第一歩です。